本と映画と時々語学

書評、映画評、時々語学学習や時事ネタなど書き綴りたいと思います。

映画

映画『ヒトラーの贋札』

ナチスが企んだある作戦を下敷きにした物語をご紹介します。 イギリス経済の混乱を狙ってポンド紙幣の贋作を製作した「ベルンハルト作戦」では、強制収容所内のユダヤ人が動員されていました。 本作は高い評価を受け、アカデミー賞外国語映画賞を受賞してい…

映画『恋する惑星』

映画史に残る香港映画をご紹介します。 香港ひいてはアジアを代表する映画人、ウォン・カーウェイ監督作品のレビューです。 オレンジさん(id:mata1)や、id:Reiko_NBさんが以前コメントで言及してくださった作品なので「よっしゃー」と思って記事にしたくな…

映画『ビフォア・サンライズ』

夏休みの1日の恋を描いた映画のレビューです。 学生時代に海外旅行に行ったことがある人は、思わず見入ってしまう作品ではないでしょうか。 あらすじ 偶然の出会い 何気ない時間の共有 言葉で語り尽くす 美しいウィーンの街並み おわりに あらすじ ウィーン…

映画『ニキータ』

リュック・ベッソンの主要作品の1つ『ニキータ』をご紹介します。 本作が話題になったことから、ハリウッド版リメイクやドラマも製作されました。 あらすじ 薬物欲しさに仲間と薬局を襲撃したニキータは、警察官を殺した罪で終身刑を言い渡される。 しかし…

映画『リトル・ダンサー』

ダンスの楽しさを知った男の子が、夢を追うために奮闘する映画をご紹介します。 あらすじ 炭鉱の労働争議 家族の物語 斬新な演出 夢を追うことで学べるもの おわりに あらすじ サッチャー政権下のイギリス。 かつて炭鉱地域として栄えた北イングランドでは、…

映画『戦火の勇気』

湾岸戦争を背景にした映画のレビューです。 メグ・ライアンとデンゼル・ワシントンが主演を務めた作品をご紹介します。 戦場サスペンスという一面がありつつ、強いメッセージも持っている作品です。 原作小説の原書を読んだことがありますので、そちらにも簡…

映画『日の名残り』

人生の回想を軸とした、カズオ・イシグロ原作の映画をご紹介します。 原作の小説も読了していますので、そちらも意識しながらレビューを書きました。 ネタバレでお送りしています。 あらすじ 仕事に人生を捧げた主人公 一人称の回想 回想に付随するテーマ お…

映画『奇人たちの晩餐会』

フランス発のシュールなコメディ映画をご紹介します。 「パリジャンは嫌な奴」というステレオタイプを全力で体現したかのような人物が主人公です。 あらすじ パリの出版社社長ピエールは、友人数人と、奇人変人を見つけては晩餐会に招き、その変わり者ぶりを…

映画『シェルブールの雨傘』

フランス映画屈指の名作であり、ミュージカル映画の古典とも言える『シェルブールの雨傘』のレビューです。 ストーリーが似てる『ラ・ラ・ランド』も悪くないけど私は断然こっちが好きです。 今回はあんまりネタバレしてません。 あらすじ 美しいミュージカ…

映画『ハクソー・リッジ』

珍しくリアルタイムで観た映画のレビューをば。 直前まで観に行こうか迷っていましたが、結論から言うと心から観て良かったと思いました。 あらすじ 汝、殺すなかれ 命をかけた戦いとは 仲間たちの変化 日本側の描写 おわりに あらすじ 良心的兵役拒否者のデ…

映画『エイミー』

初めてオーストラリアの映画をご紹介します。 小さな女の子が主人公の映画『エイミー』のレビューです。 「子どもを主人公にすれば素人は泣くと思ってるんだろう!?」と言った人をバッサバッサ倒してきたであろう本作は、お気に入りの作品の一つです。 「新…

ヒロインが活躍する映画10選

ヒロインが恋愛以外の領域でもかっこよく活躍する映画をまとめてみました。 恋愛で活躍するのはお約束のため、それ以外の活躍がみとめられた作品のみ計上しています。 実在の人物を描いた作品 『エリン・ブロコビッチ』 『ハンナ・アーレント』 『テルマ&ル…

映画『マイケル・コリンズ』

アイルランド独立戦争を巡る歴史映画をご紹介します。 イギリスの支配に抵抗し、アイルランド独立のため闘ったマイケル・コリンズの生涯を映画化した作品のレビューです。 リーアム・ニーソン、アラン・リックマン 、ジュリア・ロバーツなど、錚々たるキャス…

映画『サイダーハウス・ルール』2

映画『サイダーハウス・ルール』のレビューの続きです。 成長物語として ルールと信念 人間の浅ましさと温かさ 希望を感じさせるラスト おわりに

映画『ドラゴン・タトゥーの女』

前記事でご紹介した『ドラゴン・タトゥーの女』の映画化作品についてレビューします。 この『ミレニアム』シリーズは、ハリウッドで第1作『ドラゴン・タトゥーの女』が、 スウェーデンで三部作すべてのエピソードが映像化されています。 ネタバレを続けなが…

観るのが早すぎた映画

映画が好きになったのは10代前半の頃で、それ以来背伸びしながらいろんな作品を観ました。 大抵の映画は、若造が見てもそれなりに凄さが伝わる内容でしたが、一部「???」という状態で終わってしまった映画がありました。 きわめて個人的なリストですが、…

映画『ガタカ』

SF映画の傑作、ガタカをご紹介します。 人間のDNAを操作できる近未来を舞台とした作品です。 レビューを書くのが難しそうで先延ばしにしてきましたが、このたび鋭意トライすることに決めました。 ラストまでネタバレします。 あらすじ 別人を生きる孤独 可能…

映画『道』

ものすごく久しぶりにイタリア映画のレビューです。 愛って何なんだ!と考えたい方にご紹介したい映画です。 イタリア映画屈指の名作であり、アカデミー賞最初の外国語映画賞を受賞した作品でもあります。 製作は1954年で、全編モノクロフィルムです。 惜し…

映画『7月4日に生まれて』

トムクルーズの代表作の1つであり、ベトナム戦争に対し大きな反省を投げかけた映画をご紹介します。 もうすぐ7月4日なのでこの映画を思い出しました。 あらすじ アメリカ独立記念日が誕生日の主人公ロンは、高校卒業後すぐに海兵隊へ入隊し、ベトナム戦争に…

映画『めがね』

久々に邦画のレビューです。 『かもめ食堂』の小林聡美、もたいまさこを迎えて作られた、ゆるやか非日常映画です。 kleinenina.hatenablog.com 劇中の風景が初夏や夏に観るのにぴったりだなーと思いながらご紹介します。 あらすじ 春先の南の島に、スーツケ…

映画『オンディーヌ 海辺の恋人』

おとぎ話を下敷きにしたアイルランド映画のレビューです。 あまり有名な作品ではありませんが、個人的にはアイルランドの海辺の風景が美しかったのと、お伽噺と現実の融合が巧みだったので強く印象に残っています。 結末はネタバレしないように書いています…

映画『死ぬまでにしたい10のこと』

23歳の女性が、突然余命2ヶ月であると宣告され、その後どのように生きたかを綴る映画のレビューです。 完全にフィクションです。 スペイン人のイザベル・コイシェが監督、ペドロ・アルモドバルが製作を担当しています。 舞台はスペインではなくカナダ・バ…

映画『モダン・タイムス』

※午前中、編集途中バージョンがアップロードされてしまい、お見苦しい記事となり、すみませんでした。 喜劇王と呼ばれたチャーリー・チャップリンの代表作『モダン・タイムス』のレビューです。 時代は既にトーキーでしたので、有声映画なのですがほとんどの…

映画『潜水服は蝶の夢を見る』

久しぶりにフランス映画のレビューです。 叙情的で内省的な文章と、美しく壮大な映像が惜しみなく綴られる一方、人間味に溢れた主人公のモノローグが印象的な映画でした。 静かに人間の内面を顧みるような作品です。 なお潜水服とは、彼を閉じ込め、自由から…

映画『BIUTIFUL ビューティフル』

久しぶりにスペインを舞台とした映画をご紹介します。 スペイン語の勉強を兼ねて観始めました。 しかし、基本的に抑えた表現が多いので登場人物たちは一様に声が低く、淡々と呟きます。 リスニング教材としてはかなりハードルが高かった。 よって、途中から…

映画『エスター』

初めてガチホラー映画のレビューをご紹介します。 今までスペインのホラーコメディ『スガラムルディの魔女』以外はホラーの領域に足を踏み入れていませんでした。 kleinenina.hatenablog.com 好き嫌いなく観ますと いいつつも、ホラーだけは怖くて観られなか…

映画『ハゲタカ』

硬派経済ドラマの劇場版作品です。 NHKドラマで人気を博した作品で、原作は真山仁の経済小説『ハゲタカ』シリーズです。 本作はシリーズ3作目『レッドゾーン』を下敷きに映像化されています。 制作中にリーマン・ショックが発生し、元々の脚本が全く現実社…

映画『イングロリアス・バスターズ』

クエンティン・タランティーノ監督が第二次世界大戦下のヨーロッパを舞台に選んだ映画をご紹介します。 タランティーノ監督作品のレビューを書くのは初めてです。 ブラッド・ピットなどハリウッド俳優が登場する一方で、ヨーロッパを中心に活動している俳優…

映画『ローマの休日』

『ティファニーで朝食を』に続き、オードリー・ヘップバーン主演の名作映画をご紹介します。 こちらはストーリーが少なからず有名ですね。 有名すぎてネタバレするのもいまさらですが、念のため書いておくとネタバレします。 あらすじ 王女が市井に降りると…

映画『桐島、部活やめるってよ』

話題になった朝井リョウの小説を映像化した邦画作品のご紹介です。 原作小説は、小説すばる新人賞を受賞した、朝井リョウ氏のデビュー作で、短編5編のオムニバス形式。 原作は未読ですが、短編の集合だったことがわからないくらい、自然に統合された長編と…

映画『バグダッド・カフェ』

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』に引き続き、元気になれるロードムービーをご紹介します。 先日再視聴したところ、レビューを書きたくなった次第です。 西ドイツとアメリカの共同製作映画で、原題は原題は"Out of Rosenheim"、英題が"Baghdad Cafe"です。 こ…

映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』

少し久しぶりにロードムービーのレビューを書きました。 癒されるラブストーリーをお探しの方にご紹介したい映画です。 失恋のあとにぼんやり観られる映画としてもおすすめです。ネタバレしてます。 あらすじ 優しいラブストーリー 様々な人生模様 おわりに …

映画『おくりびと』

季節感ゼロですみませんが『おくりびと』をご紹介します。 おそらく本来は冬に観る映画です。 主な舞台は主人公の故郷山形県で、冬の景色が多く出てきます。 本作は内外で高い評価を受け、アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞しています。 盛大にネタバレ…

映画『スペシャリスト/自覚なき殺戮者』

ナチスの戦犯の裁判を記録したドキュメンタリー映画のレビューです。 どっしり重い内容ですので、心が疲れている時には避けた方がいいものの、もっと日本で内容が知られてほしい映像作品だと思ったのでご紹介します。 いつも通りネタバレでお送りします。 あ…

映画『ティファニーで朝食を』

自分に自信を持って生きたいと願っているすべての方に贈る名作映画です。 タイトルは誰もが知っているけれど、詳しいストーリーや結末を知っている人は、実は少ない作品なのではないでしょうか。 私自身、事前知識がない状態で観たところ、ラストで号泣しま…

映画『ジェーン・エア』

名作文学作品を原作とした、イギリス映画のレビューです。 原作の小説はイギリスの女流作家シャーロット・ブロンテによるもの。 原作は読んだことがありませんので映画に絞ってネタバレしつつご紹介します。 あらすじ ある嵐の夜、 牧師のリヴァースの家に、…

映画『インスタント沼』

今週のお題「私の沼」 訳がわからないけど元気になれるコメディ映画をご紹介します。 タイミングよく今週のお題とリンクする映画だったので、意気揚々とレビューを書いています。笑 ここ数年で観た邦画の本数が少ないので、レビューの材料が底をつくのも時間…

母の日や父の日に、家族について考えるおすすめ映画

今月は母の日があり、来月は父の日があります。 家族に関わりのある映画で、今まで印象に残った作品をご紹介します。 ナオミントさんのこのページを見てから、テーマに沿って映画を紹介するのをやってみたくて仕方なかったので、ついにチャレンジしました。 …

エリン・ブロコビッチ

五月病になりがちなこの季節、仕事する元気が出るかもしれない映画をご紹介します。 社会人だけじゃなく、学生さんが観てもモチベートされるハリウッド映画です。 エリン・ブロコビッチを演じたジュリア・ロバーツは、この作品でアカデミー賞主演女優賞を受…

映画『かもめ食堂』

非日常の世界に行きたくなる邦画、『かもめ食堂』をご紹介します。 派手なところはないけれど、ゆるりと別世界を垣間見られる感じが伝わるレビューを書きたい。 あらすじ 異郷での交流 ヘルシンキの街並み 個性的な3人 おわりに あらすじ フィンランドの首…

映画『トーク・トゥ・ハー』

愛とは何なのか考えさせられるスペイン映画のレビューを書きました。 スペイン映画界を代表する監督、ペドロ・アルモドバルの作品です。 意識を失って眠り続ける2人の女性と、彼女たちを見守る2人の男性がメインの役となっています。 あらすじ 報われるこ…

映画『テルマ&ルイーズ』

ハリウッド映画史に残る名作ロードムービーをご紹介します。 ラストシーンありきの作品なので盛大にネタバレしたレビューを書きます。長いです。 あらすじ 旅先で羽目を外した夜 テルマの変身 ルイーズの過去 おわりに あらすじ 高圧的な夫との愛のない毎日…

映画『真夏の方程式』

暑くなってきたのでこの映画を思い出しました。 探偵ガリレオシリーズの劇場版第2弾で、原作は同名の長編小説です。 以前、劇場版第1弾『容疑者Xの献身』のレビューを書いたので、第2弾もご紹介したいと思います。 遠慮会釈なくネタバレします。 あらすじ…

映画『ブリジット・ジョーンズの日記』

アラサー勢も夢中になれるラブコメディをご紹介します。 コメディ要素が強く、少女漫画におけるギャグ漫画を見ているような気分になります。笑 ネタバレを盛大にかましながらレビューを書きます。 あらすじ 恋愛ギャグ漫画 明るいブリジットと温かい友人 変…

映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

ハリウッドのクライムコメディをご紹介します。 米国に実在した詐欺師のエピソードをもとに、レオナルド・ディカプリオ主演で映画化されたお話です。 もう1人の主人公としてトム・ハンクスが彼を追う捜査官役を務めています。 あらすじ 高校生のフランク・…

映画『横道世之介』

東京と長崎を舞台とした邦画をご紹介します。 吉田修一の小説を、沖田修一監督、高良健吾主演で映像化した映画です。 学生時代を懐かしく振り返りたい方、ゆるりとした邦画を楽しみたい方にお勧めです。 ネタバレしながらレビューを書きます。 あらすじ 大人…

映画『グランド・ブダペスト・ホテル』

架空の国を舞台とした渋めなコメディをご紹介します。 ある意味クライムコメディでしょうか。 登場人物に強い個性を持たせてストーリーへの興味を掻き立てさせるのはとてもイギリス的な手法だと感じます。 そんなこともあってイギリス映画にカテゴリ分けをし…

映画『エヴァの告白』

しみじみと愛について考えたいときにお勧めの映画をご紹介します。 ストーリーはシンプルですが、いつまでも印象に残る映画です。 あらすじ エヴァの強さ ブルーノの弱さ おわりに あらすじ ポーランド人のエヴァは、妹とともに移民するため長い船旅の末にニ…

映画『サラの鍵』

第二次世界大戦下、ナチスドイツに占領されたフランス国内で、ヴィシー政権(ナチスによるフランス傀儡政権)により多数のユダヤ人が一斉検挙される事件がありました。 ヴェル=ディヴ事件と呼ばれるこの出来事を扱ったフランス映画をご紹介します。 あらす…

映画『ジョゼと虎と魚たち』

少し久しぶりに邦画をご紹介します。 関西が舞台で、妻夫木聡演じる大学生と、池脇千鶴演じる足の不自由な少女が主人公の恋愛映画です。 ネタバレしながらお送りします。 あらすじ 不思議な少女ジョゼ ほろ苦いラスト おわりに あらすじ 大学生の恒夫は、あ…