本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

小説

人を好きになることを教えてくれるファンタジー小説 日独英代表選

人を好きになることや恋が描かれているジュヴナイル向けファンタジー小説をご紹介します。 ドイツ、イギリス、日本発の渾身の一作を取り上げます。 クラバート 魔法使いハウルと火の悪魔 アブダラと空飛ぶ絨毯 空色勾玉 おわりに クラバート 孤児のクラバー…

カズオ・イシグロの長編小説一挙紹介 、受賞理由分析

最新作以外すべての長編を読破している大好きな作家、カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞しました。 イギリスの有名小説は『デヴィッド・コパフィールド』から『ハリー・ポッター』まで色々ありますが、エンターテインメント重視に感じるものが多いなか…

小説『マグマ』

才色兼備なヒロインが奮闘する経済小説をご紹介します。 あらすじ 地熱発電とは 3.11以前に書かれたと思えない分析眼 ヒロインのキャラクター おわりに あらすじ 外資系コンサルティングファームに勤務する野上妙子は、ある日出勤すると、自分以外のチームメ…

小説『ドラゴン・タトゥーの女』

北欧ミステリの金字塔『ドラゴン・タトゥーの女』のレビューです。 この小説はスティーグ・ラーソンによる『ミレニアム』シリーズの第1作です。 ダニエル・クレイグ主演でハリウッド映画にもなったため、第1作である本作が最も知名度が高いかと思います。 …

小説『斜陽』

文豪・太宰治の代表作『斜陽』をご紹介します。 10代の時に青空文庫で読んだ際は何の感慨もなかったのですが、アラサーになって読み返したところその筆力にひきました。 滅びの美学という言葉がぴったりです。 あらすじ 日本版『桜の園』 浮世の殿上人 伊豆…

小説『椿姫』

フランス文学を代表する小説の1つをご紹介します。 純愛を描いた名作文学と言うと、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』が有名かと思いますが、個人的にはこちらの方が好きです。 すべての小説の中でもかなり上位に食い込む作品です。 あらすじ パリ…

小説『神去なあなあ日常』

初めて和書の小説のご紹介をします。 マイルドヤンキーに内定しかけていた横浜の高校生が、中部地方の山奥で林業を営む会社に就職することから始まる物語です。 染谷将太主演で映画『Wood Job!』として映像化もされました。 著者が三浦しをんということもあ…

小説『悪女は自殺しない』

『白雪姫には死んでもらう』に引き続き、オリヴァー&ピアシリーズをご紹介します。 ドイツの本格ミステリーシリーズの第1作ですが、日本語訳はこれが3作目となります。 シリーズで最も人気の高い第3作、第4作目が先に邦訳されたためです。 原題は"Eine U…

小説『白雪姫には死んでもらう』

以前レビューを書いた推理小説『深い疵』と同じシリーズの次の作品をご紹介します。 ドイツミステリの女王ネレ・ノイハウスによる本格ミステリーシリーズの4作目です。 主人公であるオリヴァーとピアの他、小さな村に住む少女アメリーの目線で、ある事件が…

小説『深い疵』

初めて小説をご紹介します。 ドイツ発の推理小説です。 舞台はフランクフルト近郊の刑事警察署で、オリヴァーとピアという2人の警察官が主人公です。 オリヴァー&ピアシリーズは本作が3作目。 シリーズの中で最も人気の高いものから日本語訳が発表された…