本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

ドイツ

ドラマ『バビロン・ベルリン』

第一次世界大戦後のベルリンを舞台とした、硬派なミステリドラマのレビューです。 映像のクオリティも、シナリオの密度もピカイチの逸品です。 ドラマの感想がメインですが、ところどころネタバレを含みます。 あらすじ ドイツ史上最大規模の撮影 ゲレオンと…

ドラマ『アンオーソドックス』

ニューヨーク、ブルックリンのウィリアムズバーグに住むユダヤ教徒の主人公が、超正統派ユダヤコミュニティからベルリンへ出奔するドラマをご紹介します。 知られざるユダヤ教の世界を目にして驚く半面、主人公エスティの力強さに勇気づけられる珠玉の作品で…

映画『愛を読むひと』

ドイツ留学中に現地で観て、今般再鑑賞した映画です。 数奇な恋愛の話かと思いきや、ナチスドイツの罪を問う重々しい展開に後半は圧倒されがちになります。 最後までネタバレします。 あらすじ ハンナの葛藤 ハンナの秘密 マイケルの反省 ハンナと本 ナチス…

映画『マイ・ファーザー 死の天使』

ナチスの強制収容所で、非人道的な人体実験を繰り返した医師ヨーゼフ・メンゲレの息子が語り手の映画のレビューです。 父親の犯した罪について、戦後の時代を生きる彼が煩悶する模様が描かれています。 あらすじ ヨーゼフ・メンゲレとは 見知らぬ父とヘルマ…

映画『カスパー・ハウザーの謎』

生まれてからほぼ誰とも接触せず成長した男性が19世紀のドイツで発見されました。 実話を下敷きに、人間の愚かさや傲慢さを描き出した映画をご紹介します。 ネタバレしています。 あらすじ カスパー・ハウザーとは 人間の愚かさや偏見について 秘密を握る人…

映画『ヒトラー 最期の12日間』

第二次世界大戦下でドイツの敗戦間際、 ベルリンで繰り広げられていたヒトラー政権最後の一幕を描いた映画です。 冬の景色が印象的でした。 あらすじ トラウデルの反省 ゲッベルス一家 ゲッベルス家とナチス ベルリンの戦い おわりに あらすじ ソビエト連合…

クリスマスマーケットを知るためのドイツ語単語

11月末からクリスマス直前まで、ドイツを中心に数多の町々でクリスマスマーケットが開催されます。 クリスマスマーケットの探検に役立つ語彙をまとめました。 Weihnachtsmarkt Tasse Glühwein Apfelpunsch Tannenbaum おわりに

クリスマスを知るためのドイツ語単語6選

クリスマス間近なので、この時期ゆかりのドイツ語単語と、ドイツの子どもがプレゼントをもらう段取りをご紹介します。 キリスト教文化圏はみんなサンタクロースからプレゼントをもらうのかと思いきや、英語圏や日本とはかなり違ったイベントが繰り広げられて…

映画『ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜』

ドイツを代表する文豪ゲーテの、若者時代の恋に基づいた映画です。

声に出して言いたいドイツ映画の台詞

ドイツ映画を観ていて、自分も思わず言ってみたくなったフレーズをまとめました。

映画『ヒトラーの贋札』

ナチスが企んだある作戦を下敷きにした物語をご紹介します。 イギリス経済の混乱を狙ってポンド紙幣の贋作を製作した「ベルンハルト作戦」では、強制収容所内のユダヤ人が動員されていました。 本作は高い評価を受け、アカデミー賞外国語映画賞を受賞してい…

ドイツの音楽 Xavier Naidoo他

ドイツの音楽で、1人についてたくさんの曲を聴き込んでるわけじゃないけど単品でいいと思った曲をご紹介します。 Xavier Naidoo Rosenstolz Jennifer Rostock おわりに

小説『悪女は自殺しない』

『白雪姫には死んでもらう』に引き続き、オリヴァー&ピアシリーズをご紹介します。 ドイツの本格ミステリーシリーズの第1作ですが、日本語訳はこれが3作目となります。 シリーズで最も人気の高い第3作、第4作目が先に邦訳されたためです。 原題は"Eine U…

映画『バグダッド・カフェ』

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』に引き続き、元気になれるロードムービーをご紹介します。 先日再視聴したところ、レビューを書きたくなった次第です。 西ドイツとアメリカの共同製作映画で、原題は原題は"Out of Rosenheim"、英題が"Baghdad Cafe"です。 こ…

映画『スペシャリスト/自覚なき殺戮者』

ナチスの戦犯の裁判を記録したドキュメンタリー映画のレビューです。 どっしり重い内容ですので、心が疲れている時には避けた方がいいものの、もっと日本で内容が知られてほしい映像作品だと思ったのでご紹介します。 いつも通りネタバレでお送りします。 あ…

小説『白雪姫には死んでもらう』

以前レビューを書いた推理小説『深い疵』と同じシリーズの次の作品をご紹介します。 ドイツミステリの女王ネレ・ノイハウスによる本格ミステリーシリーズの4作目です。 主人公であるオリヴァーとピアの他、小さな村に住む少女アメリーの目線で、ある事件が…

ゲーテ・インスティテュートのドイツ語資格

先日、日本国内でドイツ語能力を証明してくれるドイツ語検定について紹介したので、今後は国外で(主にドイツ本国で)通用する資格について書きます。 資格試験の主催者 検定試験の種類 ドイツ語検定との違い おわりに 資格試験の主催者 ドイツ本国でドイツ…

ドイツ語検定とは

ドイツ語学習歴についてちょくちょく触れていますが、今回は持っている資格の一つであるドイツ語検定について書いてみます。 だいぶ学習歴が長くなってから受けたこともあり、1年半ほど前に1級を取得しました。 ドイツ語検定とは 他の資格と比べて 筆記試…

外国語を書く・話す

これまで、外国語を読む・聴く練習の話を書いてきたので、今度は書く・話すことについて書きたいと思います。 アウトプットの練習は一人では難しいので、どうしたらいいんだと考え込んでしまう人も多いかと思います。 しかし、中級、上級とレベルアップして…

映画『サラの鍵』

第二次世界大戦下、ナチスドイツに占領されたフランス国内で、ヴィシー政権(ナチスによるフランス傀儡政権)により多数のユダヤ人が一斉検挙される事件がありました。 ヴェル=ディヴ事件と呼ばれるこの出来事を扱ったフランス映画をご紹介します。 あらす…

外国語を聴く練習

前回の読む練習に引き続き、外国語のリスニングの練習について書きます。 自分のリスニング練習を振り返ると、「好きだったし上手くなりたかったから沢山聴いた」というのが全てです。 何かを聴くだけで喋れるようになったとか、こんな練習をすれば何でも聞…

小説『深い疵』

初めて小説をご紹介します。 ドイツ発の推理小説です。 舞台はフランクフルト近郊の刑事警察署で、オリヴァーとピアという2人の警察官が主人公です。 オリヴァー&ピアシリーズは本作が3作目。 シリーズの中で最も人気の高いものから日本語訳が発表された…

外国語の練習方法

今まで英語やドイツ語を勉強してきた中で、共通して大事にしてきたことをまとめます。 基本的には他の勉強やスポーツと同じように反復練習が大事で、必要なルールはいつでも思い出せるようにしっかり頭に入れておくのが重要です。 よく日本の外国語教育は遅…

ドイツ映画が好き

何度かドイツ映画をご紹介しています。 ドイツ語学習者だからというのもありますが、日本に入ってくるドイツ映画の秀作はいつまでも記憶に残る作品が多いイメージがあります。 大人気になるタイプの映画は決して多くありませんが、いくつか私がいいなーと感…

映画『善き人のためのソナタ』

しばらくぶりにドイツ映画の記事を投稿してみます。 東西分裂時代のドイツを舞台に描かれ、アカデミー外国語映画賞に選ばれた『善き人のためのソナタ(原題:Das Leben der Anderen)』をご紹介します。 東ドイツの社会を題材とした映画の中では最も好きな作…

映画『帰ってきたヒトラー』

現代ドイツを代表する社会派コメディをご紹介します。 ヒトラーが大きい声で力強く喋ってる映画なので、ドイツ語リスニングの教材として良いんじゃなかろうか。 《あらすじ》 映画の内容について コメディが成立する理由 見どころ・考えどころ まとめ 《あら…

映画『ハンナ・アーレント』

ドイツ映画のレビューを掲載します。 20世紀を代表する哲学者ハンナ・アーレントを主人公とした映画です。 あらすじ 凡庸な役人アイヒマン クライマックス 全体主義と悪 おわりに あらすじ 戦時中にナチスが支配するドイツやフランスから逃れ、亡命先のア…

映画『顔のないヒトラーたち』

終戦後のドイツが、どのように歴史の反省を始めたかがわかる映画をご紹介します。 あらすじ 反省の歴史が始まる前のドイツ 封じ込められていた真実 辛い記憶と秘密 何が普通の人々を変えてしまったか おわりに あらすじ 戦争の記憶が薄れ始めた60年代の西ド…

映画『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』

ドイツ映画でおすすめは、と訊かれたら、筆頭に挙げたい作品です。 コメディ映画でおすすめを訊かれた時も、絶対にこれを挙げたいくらい、かっこよくて楽しくて切ない映画です。 ロードムービー界でも間違いなくトップです。 あらすじ 名優ティル・シュヴァ…