本と映画と時々語学

書評、映画評、時々語学学習や時事ネタなど書き綴りたいと思います。

映画『アニー・ホール』

好きな恋愛映画トップ5に入る映画をご紹介します。

やんわりネタバレします。

 

  • あらすじ
  • 主人公アルビー
  • ヒロインのアニー
  • 恋愛あるある
  • ないものねだり
  • おわりに

 

あらすじ

ニューヨークに住むコメディアンのアルビー・シンガーは、歌手を目指す明るく陽気な女性アニー・ホールと付き合い始める。

ひねくれたアルビーと、誰にでも気さくなアニーは正反対であったが、最初は順調に関係を深めていた。 

しかし、思い出が増える中で、同棲や喧嘩、些細な行き違いを重ね、やがて2人の仲は複雑なものになっていく。

やがて、音楽業界の関係者から声をかけられたアニーは、カリフォルニアへ向かうことになる。

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映画『カティンの森』

ポーランド史における大事件を描いた映画をご紹介します。

 

  • あらすじ
  • カティンの森事件とは
  • 大国に翻弄される歴史
  • 淡々と過去に向き合う
  • おわりに

 

あらすじ

第二次世界大戦下のポーランド

西はナチス・ドイツから、東はソ連から侵攻され、ポーランドは国家としての姿を失った。

独ソ不可侵条約で手を握ったドイツとソ連は、ポーランドを分割統治することとなったのだ。

ナチスが忍び寄るクラクフから逃げてきたアンナは、ソ連側へ連行される直前の夫アンジェイに会うことができた。

逃亡を勧めるアンナだったが、アンジェイは軍への忠誠からそれを拒否する。

連行されて行った数多の軍人たち、その家族たち、そしてすべてのポーランド人にとって、長い苦難の歴史が始まろうとしていた。

 

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カズオ・イシグロの長編小説一挙紹介 、受賞理由分析

最新作以外すべての長編を読破している大好きな作家、カズオ・イシグロノーベル文学賞を受賞しました。

イギリスの有名小説は『デヴィッド・コパフィールド』から『ハリー・ポッター』まで色々ありますが、エンターテインメント重視に感じるものが多いなか、イシグロ作品には哲学を感じることができます。

「記憶」をテーマとした一人称の作品は、癖がない文章の力もあって読者を物語に引き込みます。

より沢山の方に魅力を知っていただけるよう、これまでに読んだ長編小説を刊行順にご紹介します。

 

  • 遠い山なみの光
  • 浮世の画家
  • 日の名残り
  • 充たされざる者
  • わたしたちが孤児だったこ
  • わたしを離さないで
  • 授賞理由について
  • おわりに

 

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スペインを揺さぶるカタルーニャ独立運動について

わけあってスペインに行ってまいりました。

マドリッドで何気なくテレビをつけたら、バルセロナ市内の物々しい風景が映し出され、ただならぬ雰囲気。

懸命の字幕読解とググった情報によると、スペインの一地方であるカタルーニャの独立をめぐる住民投票が行われるとのこと。

カタルーニャで投票に向けた独立運動が活性化する一方、スペイン中央政府は「断じて認めん」と強硬に反対。

内務省が体制を掌握にかかったり、投票用紙を押収したり、投票所を閉鎖しようとしたり、きなくさい状況になっています。

www.jiji.com

現地での大ごと感と比べ、日本語メディアではあまり報じられていませんでしたので、多少にわかながらも、自分の調べた範囲内でまとめてみました。

 

 

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映画『ビフォア・ミッドナイト』

『ビフォア』3部作の第3部です。

前2作のレビューはこちら。

ネタバレします。

 

あらすじ

前作の運命的な再会から9年、セリーヌジェシーは双子の娘とギリシャで夏休みを過ごしていた。

ジェシーの前妻のもとで暮らす息子ハンクを送った道すがら、年頃の息子のそばにいてやれないことに悩むジェシーはアメリカへの転居を考え始める。

パリで仕事に就くセリーヌは反対し、これをきっかけとして普段ジェシーに対して抱いている不満が噴出してしまう。

 

恋人から家族へ

『ビフォア・サンライズ』では初々しい学生、

ビフォア・サンセット』では華のアラサー、

ビフォア・ミッドナイト』では責任も家族もあるアラフォーとして、

セリーヌジェシーが描かれています。

縮まっていく距離感にときめいたり、

ドラマチックな再会に運命を感じたりと言った展開を通り越し、

同じ時間と人生を過ごしています。

前作『ビフォア・サンセット』で結婚していたジェシーは、離婚してセリーヌと夫婦になり、双子の娘をもうけています。

冒頭に出てくるハンクは前妻との息子で、思春期を迎えようとしている年齢です。

 

ドラマと現実の比重

第1部、第2部は時間を惜しみながら互いへの思いを募らせる展開でしたが、

第3部はだいぶ趣向が変わり、現実を共有する2人の物語になっています。

セリーヌジェシーが、仕事で上手くいかないこと、ハンクや双子の娘の育児など、日常的なトピックに頭を悩ましていることが描写されています。

互いに人生を預け合うパートナーだからこそ、お互いを好きな気持ちだけでなく、

人生をどう組み立てていくか、どんな生活を送るかという現実的な悩みも共有せざるを得ません。

また、前の2作を観ながら、「素敵な2人だけど、セリーヌは上昇志向が強いし一緒に生きるには自分も頑張って実績を出していないと辛くなりそう」と予想していたのですが、それが的中しました。笑

能力も意欲も高くて、目指すところと自分の距離を常に計っているセリーヌなので、パートナーとなる人にも求める水準が高いです。

加えて、ハンクと親密な会話をしたことを得意げに話して、ジェシーを不安にさせてしまう(知らない間にハンクは父親である自分以外との絆を深めてしまうのではないかと思わせる)ところなんかも、彼女のキャラクターを考えるといかにもありそう。

自立心が強い彼女の場合、ジェシーを立ててあげねば、という考えはあまり浮かばなさそうです(日本とは違うので、ある意味当然でしょうか)。

理想と違う現実に対して、セリーヌの苛立ちが募ってしまったときは、ジェシーが持ち前の優しさで張り詰めた空気を和らげる、という役割分担が描かれているのもリアリティがあって唸らされます。

 

 

夫婦あるある

ハンクの成長を見守りたいジェシーの気持ちをめぐって、 セリーヌジェシーは一通り喧嘩します。

作家という、働きぶりが評価しにくいジェシーの職業について、本当に必死で働いてくれているのかセリーヌは疑問に思ったり、

双子の娘に手を焼いていた時にジェシーが不在で心細かったことを嘆いたり、

本題と関係ないトピックや、過去の出来事にまで叱責が及ぶあたり、古今東西男女の喧嘩って定石があるのかしらと思ってしまいました。

怒り始めたら、もうその怒りが当初の話題に留まらなくなってしまう現象、鉄板のあるあるネタです。

そして、妊娠中や乳児期の子育てで味わった孤独感を、女性は忘れられないということにも言及されています。

唯一無二の恋を実らせた2人が、今度はリアルな夫婦の日常に向き合っており、恋人から家族になったことのディティールが詳しく描写されていました。

 

続いていく人生

山も谷もあるけど、ずっと喧嘩したままというわけにはいきません。

子どもの前で盛大に喧嘩するわけには行かないし、一緒に生活するにはどうしても連携しなければなりません。

好きな気持ちだけでは2人の人間関係を続けていくことはできませんが、

やっぱりこの人と生きていこうと軌道修正を図れるのも、

好きになった気持ちがあるからこそなのかもしれないと感じました。

20代や30代の頃のようなときめきはなくても、2人が現実世界を一緒に生きていることが感じ取れて、この第3部も好きになりました。

第1部や第2部と比べてロマンが足りない!という声も聞いたことがありますが、

「1対1の人間関係をメンテしながら生きる大変さ」を無視したらそれはそれで嘘っぽくなってしまうでしょう。

リアリティに忠実な本作が私は好きです。

 

おわりに

ギリシャで夏のバカンスというと何て優雅なんだろうと思うけれど、

休暇の中であっても日常のトピックが頭を離れない、現実的な親であり夫婦である2人が描かれていました。

前2作と違うテイストでも、この2人をまた観たいという方には迷わずおすすめしたい作品です。

 

  

 

 

 

 

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おやすみします

こんばんは。

 

これまで、どうにかこうにかほぼ毎日の更新を進めてきた当ブログですが、本業が多忙を極めることが決定したため、しばらくお休みいたします。

 

細々としたペースでの更新や、地味なリライト作業は続けていければと目論んでいます。

(それもどうなるかわかりませんが)

 

読者登録いただいた方の数が190名を達成し、これからますます頑張りたいところなのですが、少しお休みして、記事の内容の密度やクオリティを落とすことなく復帰したいです。

 

原理原則で言えば無理にでも続けるべきとは思いましたが、更新が目的化してうっすい記事になるのだけは避けたいので、しばし充電します!

 

皆さまの記事を見て勉強しつつ、またレビューを書きたいです。

 

引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

 

 

 

 

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映画『ビフォア・サンセット』

恋愛映画の金字塔『ビフォア・サンライズ』の続編をご紹介します。

偶然すぎる運命の出逢いから9年後の2人を描きます。

ところどころネタバレします。

 

  • あらすじ
  • 時間を感じさせない再会
  • 9年経ったという現実
  • 大人の甘酸っぱさ
  • 物語の舞台について
  • おわりに

 

あらすじ

9年前のヨーロッパ旅行でセリーヌと恋に落ちたジェシーは、当時の思い出を小説に著して人気作家となった。

彼は著書のPRのためパリの書店を訪れていたが、スピーチの最中、店内に佇んでこちらに微笑みかけているセリーヌに気づく。

彼はイベント終了後すぐにセリーヌと話し出し、アメリカに帰国するフライトまでのわずかな時間をパリの街中で彼女と過ごす。

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