本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

映画『ダウントン・アビー』

大好きなドラマシリーズの劇場版を観たのでご紹介します。

端的に言ってドラマファン歓喜!な内容です笑

ネタバレしながらレビューを綴ります。

 

 

あらすじ

ダウントンに、英国国王夫妻が視察に訪れるとの報せが入ると、クローリー家の面々も、階下の使用人たちも大喜び。

準備に大わらわになりながらも、国王をおもてなしできるとの期待に沸く。

引退したカーソンも、ベテランが必要な一大事だとして駆り出されることになった。

前例のない大仕事に苦心惨憺するメアリーや、親戚との長年の因縁にケリをつけようとするバイオレット、新たな変化を迎えるイーディスなど、クローリー家の人々は相変わらず話題に事欠かない。

一方階下の面々は、国王に随行してきた王室の使用人たちから「何もかも我々が取り仕切るので関わるな」と一方的に通告されてしまう。

せっかくの国王来訪に関われないことを悔しく思った彼らは、一計を案じる。

 

懐かしのメンバー健在 

映画を観る前にちょうどドラマシリーズを観終わったので、本編の感動が冷めやらぬまま観に行きました。

結論から言うと、ドラマが完璧に蘇った物語!という印象です。

生まれついての主人公メアリー、菩薩のコーラ、そしてキレキレのバイオレットが相変わらずの丁々発止の遣り取りを見せてくれます。

色々な方のレビューを見ると、メアリーが苦手という人は多いようですが、私は最も好きな人物の一人なので、メアリー節の健在がとても嬉しかったです。

自立して領地を守って行かなきゃという気概と、でも今まで守られてきた自分にそんなことできるのか、悩むせめぎ合いに毎回グッときます。

そのメアリーを陰から支えるバイオレット、今回も頼もしいです。

こんな知恵と手練手管に満ち溢れたおばあちゃんになりたい。

階下のメンバーは国王夫妻を迎えるロイヤルハイに湧く中、大活躍というか大暴れというか、特にアンナ笑

ヒューズさんもフルスロットルで加勢して大盛り上がりだし、やがてカーソンさんもついに。そうこなくちゃ。笑

カーソンさんを引っ張り出したことで休暇になってしまったバロー、本編での行動を踏まえて色々心配になってしまいましたが、結果的に本当に良かったね…!涙

シビルを亡くしてから悲しみ、悩み、時には迷走していたトムも、本作でついに新しい一歩を踏み出すことができたようです。

本シリーズの脚本を担っているジュリアン・フェロウズは、人の美しい感情ばかりでなく、醜い感情もリアルに描きつつ、でも登場人物を嫌いにならせないという手腕が卓越しています。

だからこそ、各登場人物の言動・行動・情動を一生懸命追ってしまいます。

明らかな嫌われ役がいないわけではないのですが、メインの人々が多少ネガティブな感情を出しても「こんな奴だったのかよ嫌い!」とならず、「そういう時ってあるよね」と共感させる力があります。

全体として、イングランドらしい皮肉もウィットも利きつつ、胸が一杯になる展開が詰め込まれていました。

 

映像作品として

隅から隅まで構図も美術も衣装も隙がなく、どこを切り取っても完璧な映像美も相変わらずでした。

ただ、ドラマと同じで顔に近いカットが多いので、映画館で観ると近めに思いました(それほど前の席ではなかったのですが)。

シネコンの中では少し小さめのシアターだったので、もっと大きなシアターなら少し印象が変わるのかもしれません。

でもロングショットも全部美しいので心配は要りません。

シーズンが進むにつれ人気が盛り上がって予算がつくようになったのか、美しいロケ場面がどんどん増えて行ったのを感慨深く思い出しました。

 

おわりに

基本はドラマを観た人が映画館に来ているためか、クスクス笑いが頻繁に起こっていたのが温かくて良かったです。

階下の面々がロイヤルハイななか、観客は完全に同窓会ハイでした。

新しい潮目を迎えそうなダウントンアビー、映画第二弾を待ちたいです!

ドラマが好きだった方には絶対にお勧めしたい一作です。

ドラマ本編についても、近々レビュー記事を書けたらと思います。

 

 

 

 

劇場版 ダウントン・アビー (字幕版)

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  • 発売日: 2020/05/20
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劇場版 ダウントン・アビー (吹替版)

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