本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

映画『プリティ・ウーマン』

痛快なシンデレラストーリーをご紹介します。

マイ・フェア・レディ』を下敷きとしたロマンチック・コメディです。

 

 

あらすじ

ウォール街で働くエドワードは、巨額買収案件のため西海岸を訪れる。

退屈なパーティを抜け出して偶然出会ったコールガールのビビアンに声を掛け、ロサンゼルス滞在中の6日間話し相手をしてくれるよう依頼する。

派手な格好や振る舞いから、高級ホテルやブランドショップで蔑みの目を向けられてしまうビビアンだったが、品のある女性になるスキルを身につけて行く。

そして、エドワードとビビアンの距離も次第に変化して行くのだった。

 

 

2人の変化

お金持ちと売春婦が心を通わせるというラブストーリーですが、 

ビビアンが一方的にエドワードのおかげでレディになれたり、愛されたりするだけではないところがミソです。

エドワードもまた、ビビアンの素朴な感受性や、ひたむきなところを見て自分の内面を顧み、変わっていきます。

どちらかだけが喜びを感じたり、得をするのではなく、2人で一緒に成長する描写は、恋することの幸せを端的に表していると思います。

悩みはあっても基本的に2人がポジティブなところも、お互いに与える良い影響をさらに高めていました。

 

元ネタへのオマージュ

本作の下敷きとなっている物語『マイ・フェア・レディ』についてネタバレします。

マイ・フェア・レディ』では、ロンドンの労働者階級の娘イライザに、言語学者の主人公ヒギンズが徹底的なレッスンを施し、上流階級の英語の発音を教え込みます。

猛練習の末、上品な発音を習得したイライザを見て、ヒギンズはご満悦でした。

しかし、彼女の成長を「作品の完成」のようにしか形容しないヒギンズを見てイライザはショックを受けます。

彼女を一人の人間と認めて褒めようとしないヒギンズから去り、イライザが老婦人と語り合った内容が終盤の主題です。

『大事なのは言葉ではなく、敬意をもって接してもらうことができれば、

誰でもレディになれる』

プリティ・ウーマン』のビビアンも、はすっぱなコールガールから一人前のレディに変身し、周りを驚かせます。

最初のきっかけは、派手な服装を上品なドレスに変えたことで、彼女を見下していた人々が目を瞠るような変貌を遂げます。

のちにテーブルマナーも身に着け、初めて彼女を見た人はやんごとなき人物だと素直に信じるほどになりました。

自信をつけた彼女は、自分の人生を変えるために新しい決断をします。

ビビアンが、周りからの目線の変化を受けて、自分自身を変えようとしていく過程が丁寧に描かれていました。

「やればできる」と思える、一定の能力を持った人間だと信じさせてもらえる、

そうした環境は成長し自立するのに不可欠な要素だと実感させられます。

 

おわりに

ビビアンの成長やエドワードの変化が主な見どころですが、若きジュリア・ロバーツの輝きだけをとっても一見の価値がある作品です。

主人公2人が好きになれる人なら、ラストシーンは全力で微笑んでしまうことうけあいです。

人によっては「とんとん拍子に展開しすぎじゃない?」と思うかもしれませんが、

難しいことを考えず幸せなラブコメが観たいときにはぴったりの映画です。

 

 

 

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