本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

映画『スポットライト 世紀のスクープ』

 カトリック教会で長年横行していた児童への性的虐待を暴いたボストン地方紙の、ジャーナリストたちの活躍が映画化されていました。

彼らの葛藤や真剣な思い、虐待司祭への怒りなど、密度の高いヒューマンドラマが展開されます。

 

  • あらすじ
  • カトリックの聖職者について
  • 卑劣な虐待行為と隠蔽
  • カトリックとボストン
  • ジャーナリストたちの群像劇
  • おわりに

 

あらすじ

ボストン・グローブ紙の編集長に、ユダヤ人のマーティ・バロンが着任した。

彼は長期取材を基にした記事を載せるコラム『スポットライト』で、ゲーガン神父の性的虐待疑惑を追うよう指示する。

 はじめは疑惑を持たれる神父個人の問題と捉えていたジャーナリストたちだったが、次第に彼と同じような不審な異動を繰り返し、性的虐待を続けていた神父が多数いることを知る。

虐待が明るみに出そうになるたびに、神父を異動させて事態を有耶無耶にし、神父は異動した先で新たな虐待をする負の連鎖だった。

教会の隠蔽体質と、神父の卑劣な行為により成り立っていた状況を暴くため、記者たちは怒りと使命感を持って取材を進めるようになっていた。

 

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映画『ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜』

ドイツを代表する文豪ゲーテの、若き日の恋を描いた映画です。

映画にするにあたり大幅に脚色がされているとのことなので、偉人の実話というよりは独立したストーリーとして楽しむのが良さそうです。

ネタバレします。

 

 

あらすじ

枢密顧問官の息子ヨハン・ゲーテは、詩作に夢中になって法学博士の試験に落第する。

彼は父の勧めにより、ヴェッツラーにある裁判所で実習生として働くことになったが、仕事は特段面白くない。

しかし、ある日美しい娘シャルロッテに出会って恋に落ちたことで生活が一変する。

シャルロッテもヨハンに惹かれ、彼の詩作の才能を激励するが、彼女の父はシャルロッテゲーテの上司であるアルベルトと結婚することを望んでいた。

シャルロッテの父は貧しい地方役人で、大勢の子どもたちを養うにはアルベルトの協力が必要だった。

アルベルトもまたシャルロッテを慕い、遂に彼女に結婚を申し込むことになる。

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痛快なクライムコメディ映画

痛快で楽しいクライムコメディ映画をまとめました。

主人公が捕まらないかハラハラしつつも、妙にワクワクを掻き立てられるジャンル。 

 

 

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映画『エターナル・サンシャイン』

恋の記憶について考えてみたくなる映画のご紹介です。

名作恋愛映画のレビューは緊張しますが盛大にネタバレし、あまつさえ自分でコピーも考えてみます。

 

  • あらすじ 
  • 難易度の高いストーリー
  • 恋は幸せも悲しみも持っている
  • たとえ忘れたとしても
  • 自分を作る記憶
  • もしこの映画のコピーを書けるなら

 

あらすじ 

バレンタインを目前に、ジョエルは恋人のクレメンタインとひどい喧嘩別れをしてしまう。

仲直りしようとプレゼントを持って彼女を訪れたものの、クレメンタインは完全に彼のことを忘れていた。

ほどなくしてジョエルは、クレメンタインが彼に関する記憶を消去する施術を受けたと知る。

ショックを受けたジョエルだったが、自分も彼女の記憶を消し去ることを決めた。

ところが、施術の開始後にクレメンタインを忘れたくない気持ちに気づき、ジョエルは無意識下で記憶の消去に対する抵抗を始める。

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映画『抱擁のかけら』

ペドロ・アルモドバル監督と女優ペネロペ・クルスの黄金タッグによる映画のレビューです。

原題は"Los Abrazos Rotos”で、直訳は『壊れた抱擁』ですが、後述の理由から邦題の秀逸さに驚かざるを得ませんでした。

ミステリアスな大人のヒューマンドラマです。

ラストまでネタバレします。

 

  • あらすじ
  • ミステリアスな展開
  • 満たされない愛憎
  • ラストシーンと邦題の秀逸さ
  • ペネロペ・クルスの美しさ
  • おわりに

 

あらすじ

盲目の元映画監督マテオは、ある日大富豪のエルネストが死去したとのニュースを耳にする。

ほぼ同時に、彼の元に映画のシナリオを持ち込んできた若い男ライ・Xがいたが、マテオは協力を断る。

また、マテオの公私に渡るパートナーであるジュディットは、ライ・Xがエルネストの息子であると知り彼を強く恐れ始める。

ジュディットの息子ディエゴは、2人のあまりの拒絶反応に驚くが、母は頑としてその理由を教えてくれない。

しかし、ジュディットがアメリカ出張に出かけている間、マテオは少しずつエルネストとの間にあった出来事、彼が視力を失った理由を話し始める。

マテオと、エルネスト、そして美しい女優レナの、激しい愛憎劇が淡々と語られる。

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ブログについて5

復活してから2ヶ月弱経ちました。

皆様のスターや読者登録に励まされ、11月は15記事ほど投稿できました。

ありがたや。

ブログの書き方は今までほとんど変えていないのですが、今後も継続しようと思うこと、変えようかと検討中のことを、備忘兼ねて整理しました。

 

今後も継続しようと思うこと

あらすじは自分で書く

ブログを始めてからずっと、映画レビューのあらすじは自分で書いています。

Amazonの商品説明から引用しようかと考えたこともありますが、作品によっては本筋とズレたものもあるし、自分の書くレビューと重点が一致したあらすじの方がいい時もあるため、結局引用はしていません。

あらすじ自体を掲載しなくなることは、もしかしたらあるかもしれませんが、掲載している限りは自分で書き続けたいです。

 

自信を持って勧められる映画だけ書く

映画館で最新作を観てレビューする形式の場合、百発百中良い映画に当たらない時もあると思います。

しかし、当ブログは最新作には大概無頓着です。

評価の安定している名作どころ=新作じゃない映画を中心に観ているので、新しさやキャッチーさには正直欠けます。

目新しさがない代わり、紹介する映画の平均クオリティの高さ、安定感を発揮できればいいなと思って書いています。

プロが作った映画に対してここが足りない、ここが惜しい、と言えるほどの立場でもないし、基本は大人しくおすすめ記事を書き続けたいです。

「映画ってほんっとに良いもんですね!」と言いたいブログなので、基本方針はあくまでポジティブに徹することです。

 

変えるかどうか検討中のこと

ブログタイトル

多分変えないとは思うのですが、タイトルと内容の乖離がチラチラ気になります。

映画と時々語学なのは良いとして、本が消え失せて久しい。

そして時事ネタが登場し始めてます。

でも語呂が良いし、このタイトルで覚えていただいた方がいるのであればこのまま続けたいし、SEO上の影響もわずかながら気になるし(このブログのPVなんて微々たるもんですが)、と思ってる次第です。

 

書くトピックの選定

これまで、映画のストーリーに関するレビュー、ストーリーをより深く理解するための背景知識などに絞って記事を書いてきました。

俳優や監督の知識については、話が広がりすぎるので避けてきましたが、独立記事で触れてみるのはいいかなと思い始めています。

レビュー記事ではあくまで作品の内容、ストーリーの理解に関わる項目に集中、

映画人の方について書きたいときはレビュー以外の記事で、

ということを始めてみたいです。

いよいよ映画特化ブログですね。。。笑

 

おわりに

色々検討事項はあるのですが、少しでもどなたかの映画情報収集に貢献できれば幸いです。

なんかもう映画のことしか言ってない。

これからもよろしくお願いします。

 

 

 

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映画『ホワイトアウト』

ダムを占拠したテロリストとの戦いを描いたアクション邦画のレビューです。

ダムを乗っ取るテロリストのリーダーを佐藤浩市、彼らと戦う電力会社社員の富樫を織田裕二が演じています。

 

  • あらすじ
  • 和製アクション巨編
  • 後半に明かされる謎
  • おわりに

 

あらすじ

日本一の貯水量を誇る新潟県奥遠和ダムの運転員・富樫は、冬のある日、同僚の吉岡とともに遭難者の救助に向かい、自分は助かったものの吉岡は悪天候のなか命を落としてしまう。

数か月後、吉岡の婚約者だった千秋がダムを訪れるが、不審な車両に乗った男たちが唯一ダムに通じるトンネルを爆破。

侵入していたテロリストたちとともに、ダムに閉じ込められてしまう。

ダムの水をすべて放流すれば、下流地域に甚大な被害をもたらすため、テロリストは何万人もの人質を取ったも同然だった。

たまたま難を逃れた富樫は、他の運転員や千秋、流域住民の命を守るべく、決死の覚悟でテロリストたちに戦いを挑む。

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