本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

痛快なクライムコメディ映画

痛快で楽しいクライムコメディ映画をまとめました。

主人公が捕まらないかハラハラしつつも、妙にワクワクを掻き立てられるジャンル。 

 

 

 

珠玉のリメイク作品

モネ・ゲーム

1966年の映画『泥棒貴族』のリメイク作品。

傲岸不遜なボスに嫌気が差した冴えないキュレーターが、テキサス娘を仲間にして、ボスの鼻を明かそうと画策。

明朗快活なPJ、基本後ろ向きなハリー、傲慢なシャバンダー、それぞれのキャラクターがはっきりしていて掛け合いが楽しいです。

PJやシャバンダーに翻弄されるハリーが、無事ひと財産手に入れられるのか、最後まで目が離せませんでした。

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ジーサンズ  はじめての強盗

1979年の映画『お達者コメディ/シルバー・ギャング』のリメイク。

3人の老人たちが、企業年金の打ち切りで経済的に追い詰められますが、

偶然居合わせた銀行強盗を見て、自分たちも挑戦しようと思い立ちます。

設定だけ聞くと悲壮感が漂うものの、コメディ要素を随所にちりばめ、かつ人間としての3人をさっくり描き切った秀作です。

娘や孫と一緒に過ごしたい、穏やかな余生を楽しみたいという3人の素朴な気持ちや、年の功からくる世渡り・段取りの巧みさは、老年主人公ならではの描写でした。

思わず笑ってしまうシルバージョークだけでなく、こましゃっくれた子どもの台詞、粋な伏線、粋な奇跡など、古き良きハリウッドコメディの面影をあちこちに感じます。

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ヨーロッパが誇る渋めの名作

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

不治の病で余命わずかと告げられた若者マーティンとルディが病院で出会います。

まだ海を見たことがないルディのために、マーティンはドイツ北部の北海を見に行こうと提案。

病院を脱走し、車をかっぱらって海へと走りますが、盗んだ車にギャングの大金があったため追われる身になります。

次々にピンチを切り抜ける機転と胆力、スピード感がかっこいいだけでなく、運命を共有する2人の男の友情からも目が離せませんでした。

これよりかっこいいコメディをまだ観たことがありません。

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グランド・ブダペスト・ホテル

イギリス的ウィットを感じるクライムコメディです。

熱狂的なファンを有するグランド・ブダペスト・ホテルコンシェルジュ、グスタヴは、常連だった裕福な老婦人の死後、遺産を譲られることになる。

しかし、それが面白くない老婦人の息子たちの策略により、逮捕されてしまう。

名誉を回復し、敵を倒し、遺産を手にするまで、弟子のゼロと、彼の恋人アガサの助けを得ながら駆けずり回ります。

グスタヴの癖がありすぎるキャラクターと、ゼロとアガサの機転、架空の国の設定がファンタジー小説のようです。

アカデミー賞美術賞・衣裳デザイン賞受賞も納得の、美しい映像も見どころです。

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実話を下敷きとしたストーリー

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

実際に数々の職業の人間になりすまし、大金をせしめ、成り代わった人間としてリクルーティングやら婚約やらをやってのけたフランク・アバグネイルが主人公。

堂々とした態度で、全く見識のない仕事も乗り切ってみせたり、

演じている人間の役に徹して恋人を作ったり婚約したり、

信じられない活躍ぶりが最後まで飽きさせません。

しかし、フランクの人間としての一面に注目した捜査官が彼を捕まえようと奔走。

天性の詐欺師フランクが一人の人間に戻るのか否か、というヒューマンドラマの一面も丁寧に描かれており、楽しいだけでなく後からじわじわ感動する一作です。

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テルマ&ルイーズ

高圧的な夫に悩まされるテルマと、芯の強いルイーズは一緒に旅行に出かけたところ、立ち寄った店でテルマが強姦されかけます。

男を殺してしまった2人は、メキシコまで逃げようとひたすら逃避行を始めます。

実在の殺人犯アイリーン・ウォーノスと、恋人ティリア・ムーアをモデルとした映画。

前項の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』が基本的に元のエピソードに忠実なのに対し、こちらはほとんど原形をとどめていません。

モデルの人物との共通点は、女性2人の逃避行という大枠と、テルマもルイーズも、男性からの抑圧や暴力を逃れたいと思っていることくらいでしょうか。

しかし、モデルを離れてまったく新しい物語として成立しているので、違いはあまり気になりません。

自由でありたい、誰かと通じ合いたいという2人の思いと、衝撃的なラストにいつまでも余韻が残る映画でした。

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 おわりに

比較的最近の映画に絞ってご紹介しました。

元祖クライムコメディともいえる60年代、70年代の代表的な作品についてもいつかまとめてご紹介したいです。

今回、自分で書いたレビューを全部の映画について引用できて達成感がありました。笑

またまとめ記事を作ってみたいので、引き続きよろしくお願いします。

 

  

 

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