ドラマ『リベンジ』
米国ドラマのご紹介です。
タイトル通り、主人公の壮大な復讐劇をメインとしたストーリーです。
主演はカナダ出身の女優エミリー・ヴァンキャンプで、才色兼備で裕福な謎の美女として、数々の人物に復讐を仕掛ける女性を演じます。
壮大にネタバレしつつお送りします。
- あらすじ
- 敵への容赦ない攻撃
- エミリーの強み
- グレイソン家の容赦ない反撃
- 復讐への覚悟
- ちょくちょく日本フィーチャー
- おわりに
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観るのが早すぎた映画
映画が好きになったのは10代前半の頃で、それ以来背伸びしながらいろんな作品を観ました。
大抵の映画は、若造が見てもそれなりに凄さが伝わる内容でしたが、一部「???」という状態で終わってしまった映画がありました。
きわめて個人的なリストですが、ふと思い立ったのでまとめてみます。
10代より20代で観た方がいい映画のリストとして、どなたかの参考になれば幸いです。
- 卒業
- あの頃ペニー・レインと
- 欲望という名の電車
- おわりに
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小説『斜陽』
文豪・太宰治の代表作『斜陽』をご紹介します。
10代の時に青空文庫で読んだ際は何の感慨もなかったのですが、アラサーになって読み返したところその筆力にひきました。
滅びの美学という言葉がぴったりです。
- あらすじ
- 日本版『桜の園』
- 浮世の殿上人
- 伊豆の家での火事
- かず子のモデル
- おわりに
あらすじ
終戦直後の東京。
没落貴族のかず子は母と2人で暮らしていたが、生活が苦しくなったため家を売って伊豆に引っ越す。
その後、戦地で行方不明になっていた弟・直治が帰ってくるも、彼は麻薬中毒者と化していた。
直治は家の金を持ち出しては東京に行き、遊び仲間の上原と頽廃的な生活を楽しんでいた。
やがて、優しかった母が亡くなると、弟もその後を追うように命を絶ってしまい、かず子はひとり生きていくことになる。
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映画『ガタカ』
人間のDNAを操作できる近未来を舞台とした作品です。
レビューを書くのが難しそうで先延ばしにしてきましたが、このたび鋭意トライすることに決めました。
ラストまでネタバレします。
- あらすじ
- 別人を生きる孤独
- 可能性の設計図がある残酷さ
あらすじ
遺伝子操作で身体的・知能的に優れた子どもを産むことができる近未来。
その技術により、優れた資質を与えられて生まれた者は「適格者」として社会の上位に位置し、
そうでない者は「不適格者」として不遇な人生を送る定めにあった。
遺伝子操作を経ずに生まれたヴィンセントは心臓疾患を抱えており、30歳まで生きられないだろうと言われている。
「適格者」である弟との差に悩みながら、「不適格者」である限り叶わない宇宙飛行士になる夢を何としても夢を叶えたかったヴィンセント。
彼は、違法な取引の末に「適格者」ジェローム・モローの身分を手に入れ、宇宙局ガタカに入社する。
ジェロームとして生きることで、「適格者」として夢を実現しようとしていたのだ。
しかし、念願の惑星探査メンバーに選ばれた後、局内で殺人事件が起こる。
現場からは、「不適格者」ヴィンセント・フリーマンの髪の毛が発見され、ヴィンセントの夢と社会的立場は窮地を迎えようとしていた。
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映画『道』2
前回の記事の続きです。
イタリア映画『道』のレビューです。
ザンパノの後悔
ジェルソミーナは既に死んでおり、彼がしてやれることは何もありません。
彼女が慕っていた綱渡り芸人は彼自身が殺してしまい、これまた彼にできることは何もありません。
しんどいのは、ジェルソミーナがそんなザンパノにも愛を示してくれたこと、それが彼の心にとって恩恵があったことに、(遅すぎるけど)気づいたことでしょうか。
彼はその愛情を無碍に扱っただけでなく、大切な存在を奪う行為によって彼女に報いました。
1度はイル・マットを殺すことによって、
もう1度は彼女を置き去りにすることによって。
ザンパノは彼女に愛を与えなかっただけでなく、彼女からの愛にまともに気づいてすらいなかったのでした。
神の愛は信じぬ者にも及ぶ
フェデリコ・フェリーニ監督は、「神の愛は信じぬ者にも及ぶ」との思いでこの映画を作ったと聞きました。
映画の登場人物は誰もがその日暮らしで、貧しく、教会に通う様子もありません。
神の愛は一体誰に及んだのでしょうか。
ジェルソミーナは冒頭の母親の言葉を聞く限り、大人だけど働いたことがない。
おそらく軽い知的障害があり、働けなかったものと思われます。
彼女は自分がなかなか人の役に立てないと思い、「私は何の役にも立たない」と嘆きます。
そんな彼女には綱渡り芸人が手を差し伸べました。
彼は綱渡りの衣装に天使の羽をつけている場面がありました。
多くの方がレビューで指摘しているように、彼は神の愛の比喩的存在で、ジェルソミーナに優しい言葉をかけたのは愛を説くためのように見えます。
ザンパノに差し伸べられた愛は言うまでもなくジェルソミーナでしょう。
粗暴な彼にも優しく付き従う彼女は、力も打算もなくただ素直なばかりで、天使を暗喩しているように思われます。
しかしザンパノは、その愛に気づきもしなければ、失って初めて彼女を好きだったことに気づきました。
まるで小さな子どもが家族と喧嘩して「嫌いだ」と自分から言った後に、相手から突き放されて激しく動揺したり、
あるいは綱渡り芸人が言うように、愛する者にも吠えることしか知らないけだもののようです。
神の愛はけだものをも変えると言ったところでしょうか。
変わったところで既に時遅しであることは変わりませんが。
予備知識なしで映画を観たときにも、「愛は人を変える」というメッセージは比較的察知しやすかったのですが、「神の愛は…」のフレーズを聞いてなるほどと思いました。
DV人間にも添い遂げよとかそう言ったことではなく、誰でも誰かに何かを与えられること、神の愛の比喩としてジェルソミーナが必要だったのでしょう。
おわりに
この映画を観て驚いたのは、シンプルな物語に深遠なテーマを込めるストーリーテリングの凄さです。
戦後すぐに作られた映画で、登場人物たちは電話も使わなければテレビも見ていないし、勿論インターネットなんてありません。
ストーリーもいたって単純で、複雑な展開も幾重もの伏線もありません。
それなのに、これほど心にいつまでも残り続ける作品に出会ったのは初めてでした。
また、このような映画を現代において作ることは不可能でしょう。
名作には名作たる理由があるんだと教えてくれた映画です。
愛というテーマについてじっくり思考したい時におすすめの作品です。
映画『道』
ものすごく久しぶりにイタリア映画のレビューです。
愛って何なんだ!と考えたい方にご紹介したい映画です。
イタリア映画屈指の名作であり、アカデミー賞最初の外国語映画賞を受賞した作品でもあります。
製作は1954年で、全編モノクロフィルムです。
惜しみなくネタバレしています。
- あらすじ
- 粗暴な男ザンパノ
- 綱渡り芸人イル・マット
- ジェルソミーナとの別れ
あらすじ
旅芸人の男ザンパノは、助手の女が死んだためその姉妹のジェルソミーナを新たな助手として二束三文で買い取る。
実家が貧しく、知恵も反抗心もないジェルソミーナは、横暴なザンパノにも素直についていくが、女と遊び回っては彼女を邪魔者にする彼にある日嫌気が差し、1人で街へ出かける。
街で見たのはサーカス団の一員で綱渡り芸人の朗らかな男。
ジェルソミーナがザンパノに連れ戻されたあと、2人は綱渡り芸人のいるサーカス団と合流し、ともに興行を行うことになる。
しかし、綱渡り芸人がジェルソミーナに優しく接し、彼女との距離を縮めるのを見たザンパノは、彼に対する激しい憎悪を膨らませていく。
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