米国ドラマのご紹介です。
タイトル通り、主人公の壮大な復讐劇をメインとしたストーリーです。
主演はカナダ出身の女優エミリー・ヴァンキャンプで、才色兼備で裕福な謎の美女として、数々の人物に復讐を仕掛ける女性を演じます。
壮大にネタバレしつつお送りします。
あらすじ
アマンダの父デヴィッド・クラークは、世界的企業グレイソン・グローバルを経営するグレイソン家の人間と、その一味によって、テロの資金洗浄に関わった罪を着せられ獄死する。
施設に入れられていたアマンダは、父の死後に出所した際に、新興IT企業の経営者ノーラン・ロスに声を掛けられる。
彼は父デヴィッドが創業時に出資してくれたため、その恩返しとしてアマンダを助けると言った。
アマンダはエミリー・ソーンと名を変え、ノーランの助力を得て、グレイソン家を始めとした父を陥れた人間たちへの壮大な復讐へと乗り出すことになる。
敵への容赦ない攻撃
このドラマの見どころの1つは、何と言ってもエミリー(もといアマンダ)の、仇敵への容赦ない攻撃です。
彼女と父を引き離すため診断書を偽装した精神科医の権威を失墜させたり、
父デヴィッドの裁判で偽りの判決を出した判事のDVを明るみに出したり、
グレイソン・グローバル経営者一家であるグレイソン家の仲を絶望的にしたりといった具合です。
特にグレイソン・グローバルの経営者コンラッドと、その妻ヴィクトリアはデヴィッドを陥れた主犯のため、エミリーの憎しみは最も強いものです。
ヴィクトリアがカウンセリングで実の娘シャーロットを「産まなければよかった」と発言している動画を、本人とシャーロットを含む公衆の面前で公開する大胆さ。
シャーロットに罪はないのですが、思いっきりグレイソン家の業とエミリーの復讐に翻弄されます。
エミリーはまた、ヴィクトリアとコンラッドの愛息ダニエルと婚約し、グレイソン家に入りこんでまで復讐を遂げようとする意志の強さと行動力の持ち主です。
復讐への尽きることがない執念と、手段を問わない大胆さは驚嘆に値します。
エミリーの強み
加えてエミリーは、ノーラン経由で受け取ったとも言える父の遺産がありますので、財力も半端ないです。
それを元手としてなのか、外国語や乗馬など、やんごとなき技能をすべて修めており、ハンプトンのセレブリティの前でも完璧な振る舞いを見せます。
不利な状況でも素早く必要な事柄を判断し、最適な答えを導き出せる頭脳の持ち主でもあります。
ノーランと言う最強の味方を持っていることも彼女の強みでしょう。
IT界の寵児ノーランのおかげで、サイバー攻撃にも余念がありません。
グレイソン家の容赦ない反撃
コンラッドおよびヴィクトリア・グレイソン以外の人物は比較的あっさりエミリーに駆逐されていきます。
しかし、コンラッドとヴィクトリアに関してはそうは行きません。
駆逐されたらシリーズが終わってしまう敵の本丸であり、百戦錬磨なので倒しても倒しても生き返ります。
グローバル企業の経営者夫妻なので文字通り金なら腐るほど持っていますし、人脈にも事欠きません。
人を籠絡して思い通りに利用したりするノウハウも流石と言ったところです。
エミリーの正体にはなかなか近づけないものの、彼女の手先や攻撃に対して俊敏に反応し、すぐにでも封じようと手を打ってきます。
しかし、それを躱しつつ、ピンチをチャンスに変えて復讐し続けるエミリーが一枚上手。
入念なリサーチで夫婦の過去や弱点、思考パターンを把握しており、それらを漏れなく利用する手口が鮮やかです。
復讐への覚悟
エミリーの復讐に対する意志の強さと、実行力の高さは前述のように目を瞠るばかりです。
しかし、ほぼ迷いなく復讐を進めてきたエミリーにも、シーズン3からは動揺が見え隠れします。
シーズン2終盤で、彼女のアイデンティティについて大きなヤマ場を迎えたためです。
割と安定していたシャーロットとの関係にも罅が入ったり、彼女の予想通りに行かない出来事が徐々に増えていくようです。
復讐の行方はどうなるのか、また、エミリーは最終的に幸せになることができるのか、観る側に息をつかせない展開が続きます。
ちょくちょく日本フィーチャー
スポンサーに日系企業があるのか、それとも作り手に日本ファンがいるのか、ちょくちょく日本フィーチャーした形跡があります。
エミリーとエイダンの復讐の師であるタケダを、シーズン1で真田広幸が演じています。
また、シーズン2では俳優が変わるものの、礼文島での修行風景があったりします。
さらに、ノーランの前に立ちはだかる最強のハッカーの名前はファルコンで、
これはもう漫画『ブラッディ・マンデイ』へのオマージュとしか思えないし、
ノーランとファルコンの最終決戦がなぜか格闘ゲーム「ストリート・ファイター」にて行われると言う。笑
破天荒な設定も含め、随所に遊び心があります。
おわりに
「復讐は何も生まない」という言葉が何の意味もなさないほど、全力で復讐に打ち込むエミリーの姿は、最初観ていて痛快です。
頭脳明晰で美しく、財力や人脈も駆使して悪人を追い詰めるさまは応援したくなること必死のかっこよさでした。
しかし、だんだんと復讐の余波が味方にも及んでくるようになると、エミリーの表情にも陰りが見え始めます。
だんだんと変わる情勢も巧みな演出に変え、観る側を引き込むストーリーテリングが楽しめるドラマでした。