ドイツ映画や邦画を観る理由、映画そのものを観る理由などに続き、ハリウッド映画を観る理由を綴ってみました。
味気も素っ気もない言い方をすれば「数が多いから」なんですが(ハリウッド映画を選択肢から外したら、濃いあるいはマニアックな映画ばっかりになります)、
ハリウッド映画を観るときにこんな要素を求めていることが多いなと思うものをまとめました。
ハリウッド映画=米国映画と考えていただけると幸いです。
ニューヨーク派は今回除外です。
米国の歴史を学びたい
米国の歴史を映画を学ぶなら、米国映画が一番です。
ベトナム戦争について『7月4日に生まれて』に学べた部分は多かったと思います。
南北戦争やベトナム戦争は、誰もが知っている出来事で映画も数多く作られていますが、メジャーな出来事ほど下調べをしてから観たほうがいいです。
下調べをしておけば、出来事の背景や知識が得られて、映画がどの視点に立ったものなのか、どんな解釈に基づいているのか理解し、観るときの客観性を担保できます。
ハリウッド映画は、地元米国の歴史ネタを扱うことが多いですし、
米国の(コロンブス以降の)歴史はたった500年程度でネタの量が少なく笑、
したがって、限られたトピックを何回も使っていくことになり、色々な解釈が生じます。
観ている映画がどんな視点に立っているか認識しておくことで、より深く作品を理解できるのが理想的です。
余談ですが、アメリカ戦後史を概観するには、感動映画としても名高い『フォレスト・ガンプ』がお勧めです。
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壮大なアクションやSFが観たい
ハリウッド映画と言えばこのジャンルが最も得意かもしれません。
あらゆる資金力と技術力が結集するハリウッドよりもダイナミックなアクションやSFを撮るのは、ヨーロッパ映画や邦画では難しいところです。
物語を表現するのに大掛かりな再現装置が必要でも、作り物っぽさや違和感なく仕上げてくるところは毎回凄いです。
同時に、並みの大富豪では映画は撮れんなーと思ってしまいます。
「楽しかった!」「凄かった!」以外の感想が出てこなくてレビューが書けない作品も多々ありますが笑、
アクションを売りにしつつも感動させる映画もあり、侮れません。
ラストシーンに感想を鷲掴みにされるアクション・SF映画と言えば『ターミネーター2』が思い浮かびます。
世界を驚かせたSF映画もハリウッドから生まれました。
マトリックスの世界観が劇中で明らかになったときの「え?え?」という驚きと戸惑いは忘れられません。
『スター・ウォーズ』シリーズのように宇宙を舞台とした作品や、
ジェイソン・ボーンシリーズなどのCIAエージェントものと言った分野も、ハリウッドなしには生み出され得ないでしょう。
痛快なコメディが観たい
底抜けに明るいコメディもまた得意分野です。
邦画やヨーロッパ映画ではひねった笑いや皮肉っぽさが特徴的なのに対し、
単純で小難しさのない笑いが楽しいです(ディスってるみたいですが褒めてます)。
笑いと感動の融合について、不朽の名作と言える映画も幾つもあります。
元気になりたいときに観られる映画を、今後もどんどん生み出してほしいです。
小さな頃にうっすら観た『天使にラブソングを』の記憶があやふやなので、
近々にウーピー・ゴールドバーグ先生の活躍を改めて拝見したいです。
明るく深い物語に感動したい
一方で、目立った笑いがなくても、頑張る元気をくれる映画もあります。
ヨーロッパ映画が人間の醜さや浅ましさを鋭く切り取る描写が多いのに対し、
ハリウッド映画は人間の美しさや優しさを描くほうが得意な気がします。
レビューを書いた『サイダーハウス・ルール』や『遠い空の向こうに』は、
強烈な個性を持った悪人や敵役と言える存在は出てこない展開ですが、
ストーリーに深く惹きつけられ、主人公の成長に心が温まります。
上記2作並みに強力に心が温まる作品に出会えるのは、本当に幸運なことです。
ヨーロッパ映画を観てよく「人間は醜いし人生は辛いかもしれないけど、それを乗り越える強さもあるのかもしれない」と思いますが、
ハリウッド映画では「生きるって美しい」と思うことがあります。
明るい場面だけで作っている映画ではなくても、そう感じさせられる手腕が凄いです。
おわりに
名作が多いだけに、いつになくセンチメンタルな論調になってしまいましたが、
世界の映画産業を支え続けるハリウッドに今後も期待しています。
観ても観ても観尽くせない量の名作・秀作が生み出され続けているって、有難いことです。
今年は特に洋画が豊作なので、楽しみが尽きません。
引き続き沢山の映画をご紹介していきたいです。