本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

映画『ホーム・アローン』

クリスマスに大人も子どもも楽しめるホームコメディをご紹介します。

一度見たら忘れられない設定と面白さです。

 

あらすじ

シカゴに住むマカリスター家は、パリに転勤した親戚を訪ねて、クリスマスは親族一同で団体旅行することに。

出かけるのは10人以上の子どもとその親たちという大所帯で、前夜にマカリスター家に一泊してから空港を目指すことにしていた。

しかし、当日朝に寝坊したドタバタで、末っ子のケビンは置いてけぼりにされてしまう。

旅先でパニックになる家族をよそに、一人暮らしを楽しむケビン。

ところが、バカンス中の家を狙う凶悪な空き巣が、マカリスター家を標的にしようとしていた。

 

ケビンが可愛い

ケビンを演じるマコーレー・カルキンの可愛らしさが存分に発揮されています。

小さな頃に見た時は、同じ子どもだからわからなかった。。。

親戚の子どもが多数登場しますが、彼らと比べて画面上での輝きが群を抜いています。

親戚が一堂に会するカオスの中、大人にまともに相手にしてもらえず、子ども同士でも長兄バズを筆頭にからかわれ、不満を溜め込むところも、一人暮らしを満喫するところも、表情1つ1つに魅力があります。

本作が世界的にヒットしてカルキンが大金持ちになり、家族もろとも運命が狂ってしまったというのも、(悲しいことですが)納得できてしまいました。

 

ケビンが賢い

パリに着いた家族は、近所の人にケビンの様子を見てもらおうとしますが、皆長期旅行に出かけていて連絡がつきません。

そんな中、旅行で家を空ける家庭を狙った空き巣がマカリスター家に忍び寄ります。

一人暮らしを楽しみつつも、大人に怒られたり泥棒に入られたりするのは当然怖いケビン。

しかし、基本的にはうじうじせず、その時できることを考えて行動しています。

空き巣の2人組がやってきても、とっさに電気をつけたり、人がたくさんいるように見せかけたり、機転を利かせて撃退。

いよいよ彼らが家の中に入ってこようとしても、玄関先を凍結させて侵入しづらくしたり、いたずら道具や日用品を総動員して攻撃します。

泥棒がややアホなことを差し引いても、賢さに唸りつつ笑わざるを得ません。

 

ケビンが成長する

パリへの出発前夜に怒られ、「家族なんていなくなってしまえ」と思っていたケビンは、家の中に自分一人なことに気づくと、「願いが叶った」と考えました。

しかし、当初は満喫していた一人暮らしも徐々に寂しくなり、家族に帰ってきてほしいと口にする素直さもあります。

一人で歯ブラシを買いに行ったり、スーパーで食料を買いだしたりする時のませた様子には笑ってしまいますが、

サンタクロースを訪ねたり、ミサ前の教会に一人で出かけるシーンには少ししんみりします。

「他のものは要らないから家族を返してってサンタに伝えといて」と言った場面では、商業サンタではなくとも持っているお菓子をあげたくなります。

兄から「恐ろしい犯罪者だ」と聞かされていたお向かいのおじいさんと、教会で一対一で話した時にも、「家族と話し合って仲直りする」と表明していて、おじいさんもその素直さに心を動かされた様子。

ケビンのませた様子は健在だけど、この場面は映画の中でとても重要です。

おじいさんとの対話が、本作のみならず自作にも続くテーマになっていると感じます。

家族を心から愛していても仲たがいしてしまうことはありますが、互いの大切さに気付くことができれば、また家族として繋がっていくことができるという、クリスマスにぴったりのメッセージです。

 

おわりに

あまりにも有名な本作ですが、あらためて観直してみて、世界中でヒットとなった理由がよくわかりました。

とりあえずケビンが可愛いこともありますが、子どもの成長や、家族の絆と言ったクリスマスにかみしめたいテーマが織り込まれています。 

家族でも友達同士でも、楽しく観られるクリスマスのコメディです。