本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

外国語の発音はネイティブみたいじゃなくてもいい

これまでに、リスニングやライティングは具体的な練習法の話を書けていたのですが、話す練習はこれと言ったツールがご紹介できないまま書いていました。

代わりに、何を考えながらスピーキングの練習をしていたかもう少し具体的に書いてみます。

 

発音に苦しんだスペイン語 

英語やドイツ語ではそれほど難しいと思わなかった発音が、スペイン語ではなぜか物凄く難しく感じました。

今まで他の言語ではクリアできていたからこそ、「スペイン語もネイティブっぽい響きで喋りたいんじゃー」と意地になっていました。

巻き舌やら何やらは大丈夫だったので、個々の単語の発音はそれほど問題ありません。

問題は、文を喋ろうとすると一個一個の単語に注意を払っている暇がなく、途端に難易度が高く感じられてしまうことです。

スペイン語向いてない…と一時期くよくよしていましたが、あるドラマを一瞬見た時に考えが変わりました。

 

教材の音声にない発見をした瞬間

ドラマ『外交官  黒田康作』で、黒田がスペイン語で喋っている場面があります。

メキシコ大使館員と話す場面だったでしょうか。

外交官 黒田康作 Blu-ray BOX

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ネイティヴでないことは発音でわかるけれど、

スペイン語であることははっきりわかるし、

意味も成している。

それまでガチガチのノンネイティヴ発音を嫌い、

一刻も早くネイティヴ並み発音になるしかないと思い込んでいた考えを改めました。

まずは「意味を成す」レベルに文法と発音を持って行き、その後からネイティヴっぽさを追求するのでも全然遅くない。

誰もがステレオタイプ的ラティーノな話し方(めっちゃ抑揚をつけたメロディックな喋り)をしなくてもいいと分かったのも大きかったです。

事務的に淡々と話されるスペイン語を聞いたのはそれが初めてでした。笑

もっと早くに気づいても良さそうなポイントですが、学習教材での明るく陽気なネイティヴスペイン語しか聞いたことがなかったため、そんなこともわかりませんでした。

後から色々映画やドラマを観てみたら、静かに喋るスペイン人なんて山ほど登場してたんですけどね…。

 

会話の多様なサンプルを聴く

いきなりネイティヴ発音を目指すのではなく、

中級ユーザーくらいの人の喋りを聞いて

「なるほどこの発音ならちゃんと意味が通じる&自分も真似できそう」

という目標設定をすることが意外と大事でした。

仕事で使うとかでもなく、ただの学習者でしたから。

以来、黒田康作を目標として笑、肩に力を入れずスペイン語のスピーキングに取り組めました。

今は、女優アドリアーナ・ウガルテのような静かで知的なスペイン語話者を目指したいと思っています。

ネイティヴ、ノンネイティヴ問わず、色々な人の喋りを聞いてみたのが役立ちました。

 

スペイン語に限らず

発音の難しさで定評がある言語の1つはフランス語です。

こちら↓はフランス語の歌『恋はみずいろ』がヒットした歌手ヴィッキー・レアンドロスですが、彼女はフランス語が母語ではありません。

ギリシャ人なのですが、西ドイツでレコードデビューし、ルクセンブルク代表としてユーロビジョンに出場しています。

もう訳がわかりません。笑

で、彼女のフランス語もまた完璧な発音ではなく、強いドイツ語訛りがあります。

(もしかしたらギリシャ語訛り?ギリシャ語不勉強なので、間違っていたらすみません)

この曲を聴いたことも、ネイティヴ発音至上主義を見直すきっかけになりました。

 

何でもいいわけではない

もちろん、意味が変化してしまうような発音のズレは避けるべきなので、よく言われる英語のLとRの発音や、ドイツ語のウムラウトなどは、難しいけれど最初に覚えるようにしました。

ポイントさえ押さえていれば、完璧じゃなくても通じたので、優先順位をつけてマスターしていくのがおすすめです。

 

おわりに

読み書きだけでなく話せるようになると、「着々と進歩してるぜ!」という実感が得られて楽しいですね。

自分の中でハードルになっていた発音問題の話が、どなたかのヒントになれば幸いです。

ではではまた!