本と映画と時々語学

書評、映画評、時々語学学習や時事ネタなど書き綴りたいと思います。

映画『天使にラブ・ソングを…』

パワフルなゴスペルと笑いに元気をもらえるコメディのご紹介です。

脚本としては大味な感もありますが、それを補って余りあるパワーに圧倒されます。

 

 

あらすじ

しがないクラブシンガーで、ヤクザのヴィンスの愛人デロリスは、ある日偶然ヤクザの殺人を目撃してしまう。

愛人ヴィンスの一味から追われる身になった彼女が警察に保護を求めると、身を隠すために送り込まれたのは辛気臭い修道院だった。

デロリスはストイックで味気のない修道女生活に辟易するが、ある日聖歌隊の指導を任される。

音楽を楽しみ、表現することを教えると、静かで大人しいだけだった修道女たちに活気があふれ、悲惨だった合唱にも変化が訪れた。

ところが、噂の修道院としてTVで紹介されてしまったがために、 ヤクザたちがデロリスを発見してしまう。

 

音楽の力

厳粛で荘厳な讃美歌を歌うだけ、しかも惨憺たる有様のシスターたちを見て、デロリスは最初ドン引きします。

礼拝に参加している人たちも、それが行事の一環だから着席して聞いているだけでした。

しかし、素直なシスターたちはデロリスの指導内容も柔軟に吸収し、次第に歌うことに積極的な楽しみを見い出していきます。

普段から音楽をしている人でなくても、小さな頃からレッスンをしているエリートでなくても、上手に歌えたら楽しいし、自分の表現に他の人が反応してくれたら嬉しい。

素朴な音楽の楽しみ方を思い出させてくれる映画でした。

今までの古典的な讃美歌ではなく、エネルギッシュなゴスペルを歌い始める聖歌隊の、あまりに楽しそうな様子にこちらも引き込まれてしまいます。

教会なんかに見向きもしなかった若者たちも、音楽を聴きに来ます。 

さらに、地域との交流を積極的にするようになって、静かなだけだったシスターたちは見る間に活力を得ていきます。

 

新参者とベテラン

新参者、かつ期間限定で修道女のふりをしているだけのデロリスが活躍することに、良い顔をしない人物もいます。

厳粛な修道院をまとめている院長です。

彼女は、デロリスが楽しく過ごしたがることや、地域との交流をしたがることに反発します。

楽しく過ごすことは規律を緩めることになり、修道生活と両立しないし、地域との交流も(最初は上手くいっても)いずれ壁にぶつかると考えているためです。

ベテランの彼女なので、実際にどこかでそうした経験をしたことがあるのでしょう。

苦労を知っているからこその言葉だと思います。

デロリスは、良い意味でも悪い意味でも何も知らないため、どんどん変化を仕掛けていけますが、その道が長い院長にとっては問題に見えることばかりです。

しかし、そうした葛藤にぶつかった時に手助けできるのは真のベテランしかいないのも事実です。

正反対の二人がぶつかり合い、お互いを認め合うまでの女の友情ストーリーとしても楽しめる映画です。

 

コメディの力

突拍子もない設定の中に、現実要素も少しだけ盛り込みつつ、全体を通してパワフルなコメディ展開に溢れています。

「ヤクザから身を守るために修道院にってそんなわけないだろ」から始まり、

「はすっぱなクラブ歌手がお堅い修道院改革に臨む」という信じられなさ、

ゴスペルと言う音楽の力で何もかもが力強く変わりだす豪快さ、

どれをとっても文句なしに明るく、エナジェティックです。

終盤、世間知らずのシスターたちが、文字通り総力を挙げてデロリスを助けに行く場面は、爆笑と感動を禁じえません。

人の役に立ちたい奉仕の精神を持ちながらも、今まで質素で静かな生活に徹していた彼女たちの、本来のエナジーが噴出しています。笑

 

おわりに

ウーピー・ゴールドバーグの演技に終始惹きつけられる映画でした。

さらに、彼女と仲良しになるシスター3人組や、院長を演じるマギー・スミスなど、秀逸な脇役に固められた作品でもあります。

ゴスペルと言う力強い音楽の魅力もさることながら、音楽は人を変える力があると実感させてくれる一本です。

音楽やコメディで元気になりたいという人にお勧めしたいです。

 

 

 

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