本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

外国語の発音は時に完璧でないといけない

以前、「外国語の発音はネイティブみたいじゃなくてもいい」という記事を書きました。

kleinenina.hatenablog.com

ネイティブ並みの発音じゃなくても、意味が正しく伝わる程度にクリアできればいい、そう思ったときから話す練習も気後れしなくなった、という内容です。

今もその気持ちは変わっていませんが、もちろんそれが当てはまらない状況もこの世にはあるので、整理してみることにしました。

 

 

言葉を使った芸術に携わるとき

色々な意味で話題を呼んでいたピースの綾部さんの渡米ですが、こちらのインタビューが興味深かったです。

news.yahoo.co.jp

発音について言及されており、俳優の場合ネイティブほどの会話力はなくても、「セリフをスラスラと正しい発音で言えることが重要」とあります。

確かに、ストーリーに集中したいのに登場人物のセリフが聞き取りづらかったら、観ている人間にとってはストレスフルに感じてしまうでしょう。

コメディアンならなおさら、せっかくの笑いどころで内容が正しく伝わらないリスクを抱え続けるなんて恐ろしいことです。

雑談や、業務上の会話なら、意味が正しく伝わればOKだし、言い直すこともできます。

しかし、時間や舞台に厳しい制約がある中で俳優、コメディアン、歌手などのエンターテイナーとして役目を全うするためには、「発音くらいは完璧にしてくるべき」なのかもしれません。

ただし、同じ芸術家でも、指揮者や楽器奏者なら事情は違うと思われます。

ドイツで坂本龍一さんのコンサートに行ったとき、英語でMCをされていましたが、流暢ではありつつもネイティブ並みではなかったです。

意味が正しく伝わって笑いも取っていたので、ビジネスレベル以上、発音も含めた総合点ではネイティブ未満、くらいでしょうか。

以前ドキュメンタリーで、ベルリンフィルの指揮を務めた日本人指揮者の方のドイツ語を聞いた時も、意味は伝わっているけれど発音はノンネイティブだとすぐにわかる、といった様子。

「言葉が芸術やエンターテインメントの一部をなす」のか、そうでないのか、というところが分かれ目でしょう。

 

優秀なビジネスパーソンに見られたい時

私のような平社員なら、仕事仲間と用件が共有できれば、外国語の発音は完璧でなくてもいいかもしれません。

しかし幹部クラスとなれば、印象も重要な能力の一つになるのではないでしょうか。

組織を代表する立場、重要人物として社外に出ていくからには、少なくとも相手にネガティブな印象は与えたくないところです。

元の頭脳や能力に関係なく、言葉がたどたどしいと頭のいい人に見られなくなってしまいがちなのは、外国語・母国語関係ありません。

たどたどしさを失くして減点の確率を減らすのみならず、発音まで完璧に外国語を使いこなしていたら、加点の確率も上がります。 

少し違う話になりますが、以前どなたかのブログで、「外国人の同僚が日本人社員の不正確な発音の英語にイラっとしている」という内容を読んだことがあります。

意味が正しく伝わること、ストレスフルでない程度に正しく発音するのはやはり重要。

前項のエンターテイナーと違うのは、それが致命的な失職にはならないというところでしょうか。

言語本来の機能を損なうような不正確さはそもそもNGですが、

機能的に問題がないレベルのみならず、ネイティブレベルに流暢な会話やスピーチができたら、会社員でもアドバンテージになるでしょう。

 

おわりに 

外国語の発音について、高いクオリティが求められそうな人々について書いてみました。 

学習の段階で意識しすぎて、積極的に練習できないのは本末転倒です。

学習時には肩に力を入れ過ぎず、たくさん練習するのが大事と思っています。

しかし、完璧な発音が必須、あるいは具えていれば大きなアドバンテージになる場面があることは覚えていたいです。 

カタカナ発音でいいんだ!と開き直ることは、個人的には「まだ早い」と思ってるので。笑

短いですが、今日はここまで。

 

  

 

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