本と映画と時々語学

書評、映画評、時々語学学習や時事ネタなど書き綴りたいと思います。

ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』2

ついに完結してしまったシリーズを先日観終えたのでご紹介します。

終わってしまったショックというか、最終回を観た後はGoTロスで暫く悲嘆に暮れておりました。。。

ファンの思い入れがあまりに強すぎて、撮り直しを乞う署名運動が展開されたり、スターバックス・ラテが映り込んだりと、話題にも事欠かない最終シーズンでした。

あらすじを10行以内にまとめることが不可能なので、キャラクター一人一人についてのコメントをまとめていきます!

選出基準はあくまで当方のフィーリングとなります。ネタバレご容赦ください。

 

 

ラムジー・スノウ

この人が出てきてから、観続けることが難しくなりしばらく放置していました。

グロいシーンが多いGoTの中でも突出して残酷な場面を生み出し続ける残虐王子がラムジーです。

(半分くらい自業自得とは言え)シオンへの仕打ちもさることながら、ずっと辛くも暴力を逃れ続けてきたサンサが、とうとう彼の毒牙にかかってしまった時は涙目になりました。

主要キャラでも容赦なく死んでいくGoTにあって、彼ほど早期脱落を願われた人物もいないのではないでしょうか。。。

笑顔の無邪気さと、残虐さを全うするためならあらゆる知恵を尽くす頭の良さがとにかく恐ろしかった人物。

それだけに、演じた役者さん(イワン・リオン)の巧さも際立っていたと言えます。

 

アマンド

最初は恐ろしい野人の一人として登場した彼ですが、最後にはすっかりコメディ要員となっていたような。もちろん良い意味です。

壁の向こうの厳しい環境を生き抜く彼らの中で、ユーモアがあって大らかで豪快な彼は、暗いシーンが続く中での救いのような存在でした。

ブライエニーへの不器用な恋心も観ていて微笑ましかった…笑

ジョンへの熱い友情も忘れちゃいけませんね。

色々乗り越えたからこそのラストシーンは感動的でした。

 

ブライエニー

強くなりたい心を持て余す女性、というモチーフは21世紀のファンタジー巨編にとって大切な役割を持っていたと思います。

男性と同等に戦って勝てる力が欲しい、守るべき人を守りたい、でもその中で顔を出す女性らしさ的要素や、愛したり愛されたりしたい気持ちにどう向き合えばいいのか?という葛藤が詰め込まれた人物です。

現代に生きる女性にも色々と通じる感情があります。

やっとジェイミーへの想いを素直に打ち明けることができ、彼のための涙を流すことができた時に、別れがやってきたのはあまりに辛かった。

特筆すべきは嫉妬というべき感情があまり見えず、ジェイミーのサーセイへの想いにも敬意を払っているように見えたことでしょうか。

不器用さと煩悶がこれほど心を打つ人物もいなかったなと実感します。

 

サー・ダヴォス

玉葱の騎士こと叩き上げのおじさんサー・ダヴォス。

数々の現場を知っているからこその洞察力と、人あしらいの巧さが印象的な人物です。

一方で若者に振り回されてもぎゃーぎゃー言わない、潔さや器の大きさも目立ちます。

こんな管理職になれたら尊敬されるんだろうな…

バラシオン家の令嬢との悲しい別れを乗り越え、最後まで玉座の行方を見届けてくれた頼もしい存在。

 

サンダー・クレゲイン

アリアとの名コンビが印象的な、歩く不器用サンダー・クレゲイン。

サンサへのぎこちない優しさが最後まで気になったのですが、あれは彼女への淡い憧れだったんでしょうか。

原作を読めばわかるのかな。

宿敵である実兄グレガー・クレゲインへの雪辱を果たし、王都で最期を迎えます。

兄を倒そうとする弟って言うモチーフ、ファンタビ2なんかもそうですが良く出てきますね。

時代も文化も超える普遍的なテーマなのかもしれません。

ブライエニーと並ぶ不器用ツートップです。

 

ヴァリス

最初から最後まで真っ当だった、数少ないキャラクターの一人ヴァリス

最終シーズンにして、ずっと名もなき普通の人々のために働いてきた想いが明らかになり、彼の背景も相まって共感を寄せた人が多かったと思います。

しかし、何となく伏線が張られていたとはいえ、豹変した新しい主に処刑されるという悲しい最期を遂げました。

シリーズ序盤では得体の知れない小悪党感が強かったのに、大きく印象の変わった人物の一人です。

ただ、ティリオンと語り合う場面なんかも、哲学的で的を射ている表現が多く、徹頭徹尾知的だったのは変わらなかったですね。

 

ジェイミー・ラニスター

最初と最後で印象が変わった人としてはジェイミーも忘れちゃいけません。

シリーズ序盤ではとにかく嫌な奴、卑怯な奴、人の心がない奴という印象で、「もうこの後の展開とかどうでもいいからキャトリン(またはブライエニー)がこの場で葬ってくれないかな」と思った場面も数知れず。

しかし、終盤に近付くにつれ、サーセイへの想いの一貫性と、ブライエニーとの友情・愛情のある関係が育つ過程を見て、だんだんと憎めない存在になっていきました。

実姉サーセイとの関係は、権謀術数渦巻く人生の中で、呪縛でもあり救いでもあったのかもしれません。

シリーズが進むにつれだんだんと、サーセイやティリオンと比べて毒気のない性格に見えてきました。

実際、三人の中では一番頭が良くないからそう見えてきたのは当然かもしれない。。。

家族の中で唯一ティリオンに理解を示す人物だというところも、ラニスター家の中ではポイントが高かったです。

 

サーセイ・ラニスター

彼女はラムジーほど混じり気なしの残虐気質ではありませんが、ほぼ全編を通して嫌いだった人物です。笑

スターク家、タイレル家やマーテル家への仕打ちの酷さもさることながら、プライドの高さ、傲慢さ、絶えることのない上から目線など、欠点を挙げればきりがない。

この人のせいで誰かが苦しむたびに、「いつかこの人を最上級に苦しめて滅ぼしてくれるんだろうなHBO!」と思っていました。

頭のいい権力者になりたいのは伝わってくるんですが、その実ワイルドファイア以外にあまり有効な手段を持たない。

タイウィン・ラニスターに「賢くないから好きじゃない」と言われて落ち込んだ場面では、タイウィンは言い過ぎだけど(彼よりは賢くないかもしれないが愚かと言うほどでもない)、何でこんな薄情な父親から愛されようとするんだろうと思っていました。

親の愛を人生序盤で得られなかったのは辛くても、一応美人の部類なんだし切り替えて行けばと思っちゃうんですけど、ロバートとの結婚生活も上手く行かなかったし難しいんですかね。

ただ、贖罪の道はあまりにしつこい描写だったので、胸糞悪くて我知らず同情してしまいました。

日本に輸入されるような海外ドラマって、悪役の人もすべからく演技が巧いので、すごく嫌な奴が滅ぶシーンであっても、人間味が絶妙に配合されてて思うようにスカッとできなかったりします。

演技だけじゃなく脚本スキルにも支えられているんですけど。

自分が子どもを持ったことがないのもあり、悪人だけど子どものことは誰より思っている、という設定も心に響きませんでした。

むしろこの人を見ていると、「母の愛」というメッキを施して悪事や裏切りを働くことの欺瞞に目が行ってしまいます。

 

ティリオン・ラニスター

シーズン中盤での受難と活躍が目覚ましく、知恵と交渉術で生き抜く姿に心を打たれた人が沢山いたと思われます。

大好きな主要キャラクターの一人です。

しかし、終盤で一気に精彩を欠くようになったのがファンとしては辛かった。

ヴァリスを救えず、狂っていくデナーリスを止めることもできず。

何となくわかってはいたけど、やっぱりデナーリスを好きになってしまったからだったのか…

タイウィンからの愛を求めてしまう寂しさを抱えた性格も、サーセイより共感しやすかったです。

ジェイミーとのギリギリの兄弟愛も救いがあって良かった。

知恵者ながらも報われない場面が多く、そのたびにファンを涙目にしてきた人物ですが、新しい主は一切を超越した存在なので、人の邪心に振り回されることなく手腕を発揮してほしいなと思います。

 

デナーリス・ターガリエン

序盤はもがきながら、中盤は怒涛の快進撃、終盤は徐々に狂っていく様子で、ファンを魅了してくれたデナーリスさま。

童顔と狂王の血筋のギャップで最後まで目が離せない人物でした。

最終シーズン撮り直し請願運動の理由の一つは、デナーリスの変貌ぶりが唐突に思われ、狂王になる伏線が雑だった、という批判のようです。

しかし、伏線はずっと前から張られていたんだと思います。

彼女の女王然とした態度が確立されてからは、既に長い時が経っています。 

ミーリーンにいた頃から、間違いを認めることは彼女にとって難しいものになり始めていましたし、焼けずのデナーリス、ドラゴンの母、奴隷解放者、などなど沢山の異名を並べ出したあたりから、あれっと感じた人は多いと思います。

あとジョンに対する態度ですかね。

本当に民のための王ならすることは一つなのに、彼を跪かせることへの執着、人望ある彼が玉座に着くことへの恐れも重要なエビデンスです。

長い期間をかけて徐々に徐々に描かれたデナーリスの狂いっぷりが、遂に爆発したのが『鐘』の回だったのでしょう。

あまりに長く周到な伏線だったから、逆に気付かなかったのかもしれません。

最終章の展開が濃すぎたので、駆け足感は否めないし、長年親しんだ側近ミッサンディの死へのリアクションは確かにじっくり観たかった。

だけど、権力へも愛へも凄まじい激情をもって臨んだ一生は、忘れられない爪痕を残しました。

彼女を演じたエミリア・クラークが現在32歳で、まさかの年上だったのが衝撃でした。

 

ジョン・スノウ

この人とにかく暗いな…と思いながら5章くらいまで観てましたが、カースル・ブラックで殺されてからは、個人的にだんだん株が上がり始めました。

悩みながらもトアマンドや周りの人間から信頼を勝ち得ていく様子が、観ている側にジョンの葛藤を共感しやすくしたかもしれません。

デナーリスを好きになるのはやや唐突感ありましたが、ドラゴンに乗れたのも、最後に焼かれなかったのもターガリエンの血のためだったのか、というのは納得。

しかしプラチナブロンドじゃないと全然ターガリエンを感じられませんね。

だからこそ恐怖なしに人を束ねることができたのかもしれませんが。

アリアが彼を評価するのも、サンサがぶつかるのも何だか納得したシリーズ終盤。

 

アリア・スターク

1番好きな登場人物がアリアです。

シリーズ前半で父も兄も殺され、姉とも弟たちとも生き別れて逃げるという超絶ハードモードな状況に追い込まれます。

クレゲインに拾われて逃避行を続けるものの、彼と別れてからはブレーヴォスに渡って顔のない男になるための修行に。

この修行がまた、あどけなさを残す少女にとっては非常にえげつなく、彼女が殴られたり刺されたりするたびに、耐えきれず一時停止ボタンを押していました…

しかし、決して諦めない意志の強さと、どこまでも運命に立ち向かう姿勢が勇気を与え続けてくれました。

序盤では単に気が強くて活発なだけの女の子だったけれど、苦境や試練を乗り越えてどんどん強い女性に進化していきます。

終盤ではぶれない芯の強さと、孤高の存在感がとてもかっこよかった。

彼女にニードルと言う武器を与えたのはGoTシリーズ屈指の名采配と言ってもいい。

あれだけの偉業を成し遂げても「英雄にはなりたくない」とサラッといえる欲のなさも印象的でした。

サンサとの凸凹名コンビ、クレゲインとの不思議な友情も良かった。

特にハウンドとは、お互いに心の底から出会えてよかった相手と言えると思います。

 

サンサ・スターク

好き嫌いが分かれるキャラクターの筆頭と思われますが、好きな人物の一人です。

王都の権謀術数や、ラムジーの暴力の犠牲になりながらも、決して諦めず北部と自分の再起をかけて戦ったというイメージ。

ヴェイルの騎士をウィンターフェルに連れてきてくれて本当に良かった。

前半ではリトル・フィンガーに翻弄されたり(結果的に利用しきったとも言えるかも)、ブライエニーと合流する機会を逃したりと、うまくいかない時間が続きます。

しかし、後半は北部総督に返り咲き、デナーリスにも毅然とした態度を取れる唯一の存在となります。

序盤と比べての美しい成長ぶりも特筆すべき人物です。

視聴者と遠すぎず近すぎない、絶妙な視点人物でした。

 

おわりに

嫌いと書いた登場人物の方が分析たくさん書いたりしてまして、悪役が輝くGoTらしい紹介記事となりました。笑 

人物についてレビューしたのとは別に、印象的だった名言についてもいつかまとめたいと思います。

 

ドラゴンストーン

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ウィンターフェル

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