映画『ドラゴン・タトゥーの女』
前記事でご紹介した『ドラゴン・タトゥーの女』の映画化作品についてレビューします。
この『ミレニアム』シリーズは、ハリウッドで第1作『ドラゴン・タトゥーの女』が、
スウェーデンで三部作すべてのエピソードが映像化されています。
ネタバレを続けながらご紹介します。
ハリウッド版について
主演の2人
ハリウッド版の主演はダニエル・クレイグで、ヒロインのリスベット役はルーニー・マーラが演じています。
個人的にはこの2人のビジュアルのイメージがぴったり過ぎて、感嘆してしまいました。
主人公ミカエル・ブルムクヴィストは雑誌の編集長エリカや、リスベットなどと関係を持つリア充のおっさんです。
そうした設定が違和感なく見え、かつジャーナリストとして浮きすぎないダニエル・クレイグのかっこよさが良きかなです。
リスベット演じるルーニー・マーラは、幼く見える痩身の女性というイメージにぴったりでした。
表情が乏しく、孤高の雰囲気を漂わせているところもぴったりです。
彼女はまた、この映画のために無数のピアスを開け、レイプシーンにも果敢に挑んだと言う女優魂の持ち主でもあります。
ミカエルを演じたダニエル・クレイグも増量して演技に臨んだそうです。
その他の特徴
ハリウッド版のその他の特徴としては、鮮やかさを抑えた色で画面を統一し、大人な映像美を追求していることでしょうか。
また、随所でアアルト・デザインを始めとした北欧デザインを採用し、映像を全体的に落ち着いたトーンに仕上げています。
登場人物がスウェーデン人のはずなのに英語で喋ってるのを見たら白けてしまわないか心配でしたが、そんなことは忘れてしまうくらい、北欧の寒々とした雰囲気に引き込まれました。
しかし、寒い冬の風景を印象に残しつつも、前述の北欧デザインの取り入れ方などによって温かみのある場面も多々挟み込まれているところがまた美しいです。
スウェーデン版について
主演の2人
スウェーデン版映画のミカエル・ブルムクヴィストは、ハリウッド版に比べてより普通のおっさん寄りです。笑
しかし、ミカエルの冷静さや正義感はもちろん演技に表されています。
ヒロインのリスベットを演じるのはスペイン人とのハーフの女優ノオミ・ラパスです。
容姿にラテン系の濃い面影を持つ彼女ですが、無口で孤独なリスベットの雰囲気が表現されており、評価も高かったそうです。
小柄で痩せっぽち、色白なイメージが原作で描かれるリスベットですが、ひとたび映画が始まるとあまり違和感なく観られました。
その他
映像の全体的なトーンとしては、ハリウッド版のように激しく作りこまれた感じはありません。
北ヨーロッパの寂しげな冬の風景が飾り気なく写りこんでいる印象です。
ハリウッド版と比べると端的なかっこよさには欠けますが、ヨーロッパ版としてはむしろ「らしい」ので良いんじゃないかと思っています。
個人的には、ミカエルのビジュアルとあわせて、「ありそう」なベクトルに向いている映像作品として評価してます。
ハリウッド版と別の方向を向いていて楽しかったです。笑
おわりに
謎の奥深さもさることながら、「ええええこれもう絶体絶命じゃん」と思われる状況から、不自然な主人公バイアスなく切り抜けているところも本作の見どころです。
あと別件ですがノオミ・ラパスはリスベット役の時と、その他の時とであまりに印象が違い過ぎるので、別の作品も観てみたいと思いました。
ハリウッド版ミカエルのダニエル・クレイグは、三部作すべてに主演する契約を結んだらしいので、今後の続編リリースに期待しています。
短いですが、今日は此処まで。