ドイツ語検定とは
ドイツ語学習歴についてちょくちょく触れていますが、今回は持っている資格の一つであるドイツ語検定について書いてみます。
だいぶ学習歴が長くなってから受けたこともあり、1年半ほど前に1級を取得しました。
ドイツ語検定とは
正式名称はドイツ語技能検定試験と言います。
試験の事務局は、公益財団法人ドイツ語学文学振興会といい、日本の組織です。
だからというわけではありませんが、日本国内でのみ威力を発揮する資格と言って良いでしょう。
1級、準1級、2級、3級、4級、5級があります。
年に2回試験が開催されますが、1級、準1級は冬期のみ開催です。
隣り合う級は併願可能です。
検定料は級により異なり、上の級になるほど高額になります。
郵送またはインターネットで申込ができます。受検資格は特段設けられていないため、申込と検定料支払をすれば誰でも受検することが可能です。
他の資格と比べて
ドイツ語の資格として他に、本国であるドイツ政府の文化広報機関ゲーテ・インスティテュートが出しているA1〜C2の資格があります。
ドイツ本国の資格試験では、読む・書く・聞く・話すがそれぞれがっつり試されるのに比して、ドイツ語検定では読解の比重が高いです。
筆記試験
準1級と1級を受検したことがありますが、ことばの穴埋めから長文まで色々なタイプの読解問題がありました。
1級では、ことわざや決まった言い回しを見て、具体的にどういうことか言いかえる選択肢を選ぶ問題がありました。
「猫の手も借りたい」と書いてあったら、
「どんな助けでも欲しいほど忙しいこと」と選ぶような感じですね。
ドイツ語ネイティヴの先生に見てもらったところ、
「まあ母語話者ならわかるけど、マニアックだよねー」とのことでした。
実際に使うかどうかよりも、問題の難易度を高めることを優先しているのかも知れません。
本国の試験の方がより実用には近い語彙が出る気がします。
また、独和や和独の翻訳問題が出るのも、本国の試験との違いです。
リスニング
対照的にリスニングは特段の捻りもなく、ゆっくりはっきりと喋ってくれます。
問いの難易度も読解と比べると高くありませんでした。
こちらはゲーテ・インスティテュートの試験の方が格段に難易度が高いです。
口頭試験
口頭試験では、自己紹介の他、直前に知らされた複数のテーマから一つを選び、自分の意見を述べるというものがありました。
その後、面接官が意見に対して質疑をするのでそれに答えていきます。
感触としては、喋っているドイツ語が意味をなしており、積極的に話せばOKという感じです。
トピックを離れず話していれば、多少論理構成が甘くても大丈夫な様子。
ゲーテ・インスティテュートの試験では、あるテーマについて他の受検者と話し合い、結論を導き出すことを求められたので、論理的に話せるかどうかはより厳しく見られると言っていいでしょう。
ドイツ語検定取得のメリット
ドイツ語検定の威力は国内限定で発揮されるものです。
ドイツでの留学や就労には特段役立たないと思いますが、日本で「ドイツ語検定1級を持っています」と言ったときの相手の驚きはかなりのものがあります。
正直嬉しいです。
英検をはじめ、◯◯検定△級という資格に馴染みが深いうえ、1級といえば最も難しいものというイメージがあるためでしょう。
1級以外の他の級についても、◯級はこの程度の難易度、というイメージが伝わりやすいです。英検さまさま。
きちんと勉強したことを端的にわかってもらうためにはお誂え向きの死角です。
私自身は、ヨーロッパに関わる仕事をいつかしたいと思っているので、そのアピールがしたいという思いもあって資格を取りました。
単に「海外の仕事がしたい」「ドイツ語話せます」と言い張るよりも、「こんな資格もあることだし、ヨーロッパの仕事なら私に関わらせてください」という方が説得力があると考えたからです。
おわりに
マニアックな知識を問われたり、読解の比重が高いと言う、日本的語学学習っぽい香りを強く漂わせつつも、ドイツ語を勉強したことをわかってもらうには良い資格です。
威力は日本国内限定にはなりますが、ドイツ語力をアピールしたい方にとっては、取っておいて損のない資格だと思います。