映画『モネ・ゲーム』
ハリウッドのクライムコメディ映画をご紹介します。
ロマンスとかどうでもいいから痛快で楽しい映画が観たい人にお勧め。
《あらすじ》
冴えないキュレーターであるハリー・ディーンが、傲慢で高圧的な上司シャバンダーに一矢報いるため、モネの贋作を用いて彼から大金を騙し取ることを計画する。
計略の片棒を担がせるのは、溌剌としたテキサス娘のPJ・プズナウスキー。
誰とでも快活に話すPJと、相変わらず傲慢な雇い主シャバンダーのおかげで計略はなかなか思い通りにいかないうえ、ハリーは突然クビを言い渡されてしまう。
1966年の映画『泥棒貴族』のリメイク。
2人の主人公
キャメロン・ディアスの明朗快活さと、主人公の冴えなさがいい配合です。
アメリカンでぶっ飛んだ冗談と、イギリス的な皮肉に富んだ笑いがいい感じのバランスに仕上がっています。
途中で日本のサラリーマンの皆さんが盛大にディスられてるけど、そんな極東の労働者たちとも意思疎通ができてしまうヒロインのコミュニケーション能力が素晴らしい。
日本人役の人たちは多分日本人じゃないと思うけど笑
同時に、主人公のコミュ力のなさに関しての描写がリアルで、同じコミュ障としては共感を禁じえません。
世渡りをこなすだけの狡さや賢さ、大胆さがないと生きていくのは大変なんですよね。
そんなハリーが一大決心をして大胆な計画を実行しようとするも、今までそんなものやったことがないので悪戦苦闘します。
奮闘ぶりもリアルだけどコミカルで、共感しつつもやっぱり笑ってしまいます。
脚本の良さ
コメディなのにちゃっかり伏線も回収しているところが個人的にはポイント高かったです。
ぶっ飛んだ展開も、序盤で伏線を用意しておくことで観客を納得させてしまうという。
ちょっと短めの映画ではありますが、テンポが良いのも特徴の1つです。
笑いどころや小ネタが次々に出てくるので飽きることなく楽しめます。
軽快なクライムコメディですが、出演者がコリン・ファース、キャメロン・ディアス、アラン・リックマンという大物揃いでした。
コリン・ファースは『王様のスピーチ』で演じた誠実で苦悩する国王という役柄とは打って変わって、ひねくれて悩むサラリーマンを演じています。
でも全然違和感なくストーリーに入っていけるのは、俳優としての実力が高いからなんでしょう多分。
アラン・リックマンは『ハリー・ポッター』シリーズでスネイプ先生を演じた人ですが、役柄と雰囲気が違いすぎて同一人物だと見抜けませんでした。
またこんな映画出てこないかなと思います。
爽やかに観終われました!