本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

スペイン語検定4級

このたび、スペイン語検定4級に合格しました!

どなたかのお役に立てば&備忘として、学習歴や試験対策、当日の様子など、受検体験記を書いてみます。

 

スペイン語技能検定とは

スペイン語技能検定とは、財団法人日本スペイン協会が主催している検定試験です。

日本国内でスペイン語の能力を証明するのに使うことができます。

国外でもスペイン語の能力を証明するには、スペイン政府公認資格であるDELEの資格が必要になります。

DELEとスペイン語技能検定の比較についてはこちらのサイトがわかりやすかったのでご参照を。

西検は国内限定の資格ではありますが、私が受けに行った限りでは学生さんが多く受検しているように見受けられました。

おそらく専攻や外国語として大学で履修している若い人たちが、主に力試しや単位取得のために受検していると思われます。

 

4級のレベル感

今回私が受けた4級の試験は、英検で言うと2級程度のレベルだそうです。

一通りの文法を終了し、日常会話ができるレベルと説明されています。

だったら西検も2級にしといてけれ!!笑

スペイン語技能検定は、どうも「同時通訳ができるプロフェッショナルレベル」を1級と設定し、その前段ないし下位互換として2級、3級…と設定されているように思います。

英検や独検は「中級レベルが問題なくこなせる」のを2級、それ以上を準1級、1級と設定している印象を受けます。

英検のレベル感を準用すると「たかだか4級か」と思われがちなのが辛いところですが、中級学習者が挑戦するには丁度いいレベルなのは間違いありません。

 

試験の構成

スペイン語検定4級は、筆記試験と聞き取り試験の2部構成です。
自由作文や、口頭試験はありません。
筆記試験は主に各時制における動詞の活用と、4級レベルの単語を一通り学習しているかどうかが試されます。
聞き取り試験では、簡単な短文や質疑を理解できるかどうかがポイントです。
どちらも、集中して2年程度学習している学生さんには造作もない内容かと思いますが、ゆるーい社会人学習者にはそれなりの事前学習を必要としました。笑

 

これまでの学習歴

 高校で第二外国語として選択した後、大学でも初級や中級の講義を履修したのですが、初級より先の内容は同じことを繰り返すことが多かったです。

一つ一つ積み上げて更に先に…という学習ができていませんでした。

国語学部のない大学だったので、中級以上の内容をさらに深めたいと思う学生がそもそも少なかったと言うのもあって、過去形や接続法を体系的に学習できるクラスは皆無でした。

社会人になってからゆるーいスペイン語サークルに参加し、ようやく諸々の時制を勉強し始めました。

せっかく続けているから資格を取ってみようと思い、スペイン語検定を受けることにしました。

大昔に5級の問題を解いてみたときは簡単に感じたので、少し難しいと感じた4級に挑戦することにしました。

 

次の記事で、どんな試験対策をしたか、

本番の様子はどうだったかについてお伝えします!

 

 

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映画『麗しのサブリナ』

午前10時の映画祭で観てきました。

オードリー・ヘプバーン作品鑑賞4作目(レビューは3本目)です。

割とネタバレしますが、ラストは明かしません。

 

 

あらすじ

ロングアイランドのララビー家は、事業を切り盛りする長男ライナスと、

放蕩息子で女たらしの次男デヴィッドの兄弟が対照的。

デヴィッドは、運転手の娘サブリナから一途に慕われていたが、

社交界の美女に夢中で彼女のことは眼中にない。

しかし、サブリナがフランス留学を終えて帰ってくると、美しく変貌した彼女にデヴィッドは夢中になる。

兄ライナスは、事業拡張のためデヴィッドに戦略的結婚をさせようとしていたが、サブリナの帰国で計画が危うくなってしまう。

あの手この手でサブリナの関心を逸らそうとするライナスだったが、事態は思わぬ方向へ向かっていく。

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映画『ビフォア・サンライズ』

夏休みの1日の恋を描いた映画のレビューです。

学生時代に海外旅行に行ったことがある人は、思わず見入ってしまう作品ではないでしょうか。

 

  • あらすじ
  • 偶然の出会い
  • 何気ない時間の共有
  • 言葉で語り尽くす
  • 美しいウィーンの街並み
  • おわりに

 

あらすじ

ウィーンに向かう特急で、偶然近くの席に座ったフランス人の学生セリーヌと、アメリカ人の学生ジェシー

意気投合した2人は、翌日ジェシーの飛行機の時間が来るまで、ウィーンで一緒に過ごすことにする。

街を歩き回るうちに、会ったばかりの2人の仲は急速に深まって行く。

 

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映画『ニキータ』

 リュック・ベッソンの主要作品の1つ『ニキータ』をご紹介します。

本作が話題になったことから、ハリウッド版リメイクやドラマも製作されました。

 

あらすじ

薬物欲しさに仲間と薬局を襲撃したニキータは、警察官を殺した罪で終身刑を言い渡される。

しかし、薬物の投与を受けた後に目を覚ますと、ボブと名乗る政府の人間から秘密工作員として生きることを命じられた。

様々な訓練を受け、暗殺者として独り立ちしたニキータは、やがて彼女を受け入れてくれる恋人に出会う。

 

ときめきとハードボイルド

ニキータは厳しい訓練に耐えて成長する日々の中で、指導役であるボブと特別な信頼を築きます。

性格の幼いニキータにとっては無理難題とも思える課題を課すボブは、非情な教官に見えます。

しかし同時に彼は、ニキータが訓練から脱落しないようたまに手を差し伸べます。

一方、訓練を終え偽名で世に出たニキータは、心優しい青年マルコと出会います。

マルコは過去を語らないニキータを訝しがりつつも、何があっても愛するのは彼女ただ1人だと告げます。

ニキータは彼の愛に癒されつつも、ボブから否応なく過酷な任務を任され続けます。

2人の男性との間の純愛と、

ハードボイルドな場面の間で、

飽きさせない揺り戻しがあり、最後まで目が離せませんでした。

 

ニキータの成長

序盤のニキータは救いようのない不良少女です。

非行に走るだけでなく、言葉によるコミュニケーションがまともにできないばかりか、感情も制御できません。

怒鳴ったり叫んだり泣き喚いたり、ほとんど動物的と言ってもいい状態です。

けだもののようなニキータでしたが、

工作員として生きるか、それとも死ぬかのどちらか」

と言う選択を迫られた後は、徐々に変わります。

アマンド夫人の薫陶を受け、知的な淑女に少しずつ近づきます。

この世には限界のないものが2つある

女の美しさとそれを濫用することよ

と語るアマンドの言葉どおり、ニキータは2つの愛に翻弄されながらも、2人を翻弄する運命を歩むことになります。

出だしでは目も当てられない身なりだった彼女ですが、中盤以降は思わず見つめてしまうほど、美しい衣服も軽々着こなせる大人の女性に変身しています。

 

殺伐としたアクション

序盤からハードな銃撃戦や格闘の場面が続き、緊迫感が長く途絶えることがありません。
主人公がヒロインだからと言って、全く手加減なしです。
むしろニキータは反射神経や闘争心を見出され、ボブの秘蔵っ子として成長して行くことになります。
迫力あるシーンが断続的に挟まれ、アクション映画として目が離せない作品になっています。

 

おわりに

最初は動物じみた奇行を繰り返すニキータに決して共感できないと思いました。笑

しかし、彼女の変貌ぶりも恋の行方も、最終的には見守ってしまいました。

隅々までハードボイルドでありつつ、

ニキータの少女らしさを活かした恋愛要素も、

決して甘くなり過ぎないように盛り込まれています。

この2つの要素が巧みに同居しているところがベッソン先生の凄いところなのでしょう。

過激な純愛を観てみたいという方におすすめの映画です。

 

 

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映画『リトル・ダンサー』

 ダンスの楽しさを知った男の子が、夢を追うために奮闘する映画をご紹介します。

 

  • あらすじ
  • 炭鉱の労働争議
  • 家族の物語
  • 斬新な演出
  • 夢を追うことで学べるもの
  • おわりに

 

あらすじ

サッチャー政権下のイギリス。

かつて炭鉱地域として栄えた北イングランドでは、国策により炭鉱の閉鎖が相次いでいた。

閉鎖に反対してストライキを行う労働者たちの中に、ビリーの父親もいた。

ビリーは父や兄と同じくボクシングに通う男の子だったが、ある日ささいなきっかけから踊る楽しさに目覚める。

バレエ教室の教師から才能を見出されつつも、大反対する父や兄に押され、一度はバレエを続けることを諦めたビリー。

しかし、無心に踊るビリーを父が目撃した日から、風向きが変わり始めた。

 

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小説『ゲルマニア』

第二次世界大戦下のベルリンを舞台とした推理小説のレビューです。

主人公は元刑事のユダヤ人で、謎の解明に加えて、彼が無事生き延びることができるか、というところも重要なストーリーラインになってきます。

 

あらすじ

1944年のベルリン。

ユダヤ人のオッペンハイマーは、ナチス政権の政策により刑事の職を追われ、アーリア人の妻とともに倹しい生活を送っていた。

彼はある夜、極秘裏に殺人事件の現場へ同行を求められる。

ベルリンで続いている、女性を標的とした猟奇殺人の捜査に加わって欲しいと依頼されたのだ。

彼はナチス親衛隊員フォーグラーの監視のもと、独自に捜査を行うことになる。

 

緻密な時代ミステリー

ナチス政権下のベルリンという舞台をフルに活用したミステリーです。

女性を標的とした殺人自体は時代に関係なく起こりそうなものですが、この事件については第二次大戦中のドイツならではの要素が絡んできます。

特殊な状況を巧みにストーリーの要素に取り入れていること、

優秀な元刑事オッペンハイマーによって、謎解きが緻密に丁寧にされていくこと、

主にこれら2つによって完成度・満足度の高い推理小説になっています。

 

奇妙な友情

オッペンハイマーと、彼の監視役として行動を共にする親衛隊大尉フォーグラーの間には、当初敵同士の関係しかありませんでした。

しかし、2人で捜査を進めたり、危険な状況を打破したりしているうちに徐々に信頼関係が育っていきます。

立場上、フォーグラーが表立ってオッペンハイマーの民族的背景を肯定することはありませんが、

1人の人間同士の関係が築かれれば、民族や人種などグルーピングによる関係性は薄れていくことを自然に描写していると感じました。

また、妻のリタや女医の友人など、オッペンハイマーを助ける個性溢れる面々も見どころの1つです。

 

詳細な生活の描写

本作のもう1つの特徴は、第二次大戦中のドイツの暮らしについて詳しく描写されていることです。

空襲の様子や配給の状況、平時の日常生活との違いなど、作者のギルバースは当時のベルリンに暮らしていたんじゃないかと思うほどの具体性でした。

詳細な描写により、オッペンハイマーたちの暮らす背景がリアリティを持ち、物語全体の説得力が増しています。

 

おわりに

欲を言えば犯人の動機にもう少し掘り下げが欲しかったところですが、謎解きに引き込まれてしまってそれもあまり気にならないくらいでした。

ハードボイルドなミステリーを読んでみたいときにおすすめの一作です。

 

 

ゲルマニア (集英社文庫)

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小説『マグマ』

才色兼備なヒロインが奮闘する経済小説をご紹介します。

 

  • あらすじ
  • 地熱発電とは
  • 3.11以前に書かれたと思えない分析眼
  • ヒロインのキャラクター
  • おわりに

 

あらすじ

外資コンサルティングファームに勤務する野上妙子は、ある日出勤すると、自分以外のチームメンバー全員が解雇されたと聞かされる。

そして、残された妙子は、大分で地熱発電事業を営む日本地熱開発の事業再生を任された。

突然の地方案件に戸惑う妙子だったが、日本地熱開発社長の安藤とともに初めて知る事業領域に足を踏み入れる。

よそ者の妙子に厳しい顔を見せる技術者たちだったが、やがて会社を救うための発電事業について、妙子や安藤とともに必死に道を探ることとなる。

 

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