本と映画と時々語学

書評、映画評など書き綴りたいと思います。

映画『きみに読む物語』

ニコラス・スパークス原作の映画『きみに読む物語』のレビューです。

観終わる前は、アメリカっぽい単純お涙頂戴映画なのではないか…と散々な偏見を抱いていたのですが、ところがどっこいラストでは涙してしまいました。

なるべく核心の描写を抑えつつ、いつも通りのネタバレレビューでお送りします。

 

  • あらすじ
  • 幼いが本物の愛
  • それぞれの人生
  • 真実の愛の終わり
  • 主演の2人
  • おわりに

 

あらすじ

ある老人ホームで、認知症の女性に毎日物語を読み聞かせる男性。

女性は自分が誰か、どんな人生を送って来たかを思い出すこともできなくなっていたが、興味深そうに男性の語る話を聞いている。

戦前のアメリカ。

製材所で働くノアは、夏の間だけ家族で町に来ている富豪の令嬢アリーと恋に落ちる。

しかし、将来を心配した彼女の両親によって引き離され、大喧嘩をして別れた後、第二次世界大戦が始まってしまう。

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映画『ドラゴン・タトゥーの女』

前記事でご紹介した『ドラゴン・タトゥーの女』の映画化作品についてレビューします。

この『ミレニアム』シリーズは、ハリウッドで第1作『ドラゴン・タトゥーの女』が、

スウェーデンで三部作すべてのエピソードが映像化されています。

ネタバレを続けながらご紹介します。

 

  • ハリウッド版について
    • 主演の2人
    • その他の特徴
  • スウェーデン版について
    • 主演の2人
    • その他
  • おわりに

 

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小説『ドラゴン・タトゥーの女』

北欧ミステリの金字塔『ドラゴン・タトゥーの女』のレビューです。

この小説はスティーグ・ラーソンによる『ミレニアム』シリーズの第1作です。

ダニエル・クレイグ主演でハリウッド映画にもなったため、第1作である本作が最も知名度が高いかと思います。

『ミレニアム』は、著者存命中に第3作までが発表されましたが、第5部までの構想があったシリーズ半ばにしてラーソン氏が急死します。

現在、途中まで仕上がっていた第4作の遺稿を基に、ラーゲルクランツが書き上げた第4作が出版されています。

本記事では、シリーズ第1作に絞ってご紹介するとともに、スウェーデン本国およびハリウッドで製作された映画版についても、次記事で若干の説明を加えたいと思います。

 

  • あらすじ
  • 比類なきダークヒロイン
  • ヴァンゲル家を取り巻く謎
  • 根底にあるテーマ
  • おわりに
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ドラマ『リベンジ』

米国ドラマのご紹介です。

タイトル通り、主人公の壮大な復讐劇をメインとしたストーリーです。

主演はカナダ出身の女優エミリー・ヴァンキャンプで、才色兼備で裕福な謎の美女として、数々の人物に復讐を仕掛ける女性を演じます。

壮大にネタバレしつつお送りします。

 

  • あらすじ
  • 敵への容赦ない攻撃
  • エミリーの強み
  • グレイソン家の容赦ない反撃
  • 復讐への覚悟
  • ちょくちょく日本フィーチャー
  • おわりに

 

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観るのが早すぎた映画

映画が好きになったのは10代前半の頃で、それ以来背伸びしながらいろんな作品を観ました。

大抵の映画は、若造が見てもそれなりに凄さが伝わる内容でしたが、一部「???」という状態で終わってしまった映画がありました。

きわめて個人的なリストですが、ふと思い立ったのでまとめてみます。

10代より20代で観た方がいい映画のリストとして、どなたかの参考になれば幸いです。

 

 

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小説『斜陽』

文豪・太宰治の代表作『斜陽』をご紹介します。

10代の時に青空文庫で読んだ際は何の感慨もなかったのですが、アラサーになって読み返したところその筆力にひきました。

滅びの美学という言葉がぴったりです。

 

  • あらすじ
  • 日本版『桜の園
  • 浮世の殿上人
  • 伊豆の家での火事
  • かず子のモデル
  • おわりに

 

あらすじ

終戦直後の東京。

没落貴族のかず子は母と2人で暮らしていたが、生活が苦しくなったため家を売って伊豆に引っ越す。

その後、戦地で行方不明になっていた弟・直治が帰ってくるも、彼は麻薬中毒者と化していた。

直治は家の金を持ち出しては東京に行き、遊び仲間の上原と頽廃的な生活を楽しんでいた。

やがて、優しかった母が亡くなると、弟もその後を追うように命を絶ってしまい、かず子はひとり生きていくことになる。

 

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映画『ガタカ』2

映画『ガタカ』のレビューの続きです。

深いテーマがある映画はついついレビューも長くなってしまいます。

 

  • 閉ざされた可能性の悲劇
  • 開かれた可能性の悲劇
  • 可能性は未知だからこそ生きる希望がある
  • おわりに

 

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